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やあ、ぼくは神様です
序章・塵芥の夢
見渡す限り広大な白い空間。
塵芥は何を思うのか。
「やあ、僕は神様だ」
「随分、破天荒な人生を送ったようだね」
見渡す限り広大な白い空間に、そいつはいた。
光だ。モヤモヤした光の塊がヒトガタに見えるが、決してヒトではない。だが知性を感じる。こいつはヒトより高次元の生き物だと分かる。
「君には罰を与えよう」
「煉獄に焼かれてもなお死ねず、身を幾度切り裂かれても死ねない。そんな体で、君を、鬼より怖くて強い奴らの巣窟に投げ入れる事にしよう」
悪趣味な奴め。普通の地獄でいいっつうの。
「君が殺した10万5263人分の死を味わうまで、君は死ねない」
地獄ってそういう仕組みなんだ。死んだらまあ、痛くないもんねえ。
「ファンタジーな異世界にご招待だ。喜べよ罪人。不死身だぞ。痛覚は常人の倍にしたから、苦しんで来たまえ」
わーい。悪逆の限りを尽くしてやる。