プロローグ・日本襲撃
俺は塵芥 魅斗。
ある有名かつ巨大な盗賊団のしたっぱだ。
今日の予定は、日本っつー国からの略奪。西と東の大都市にA班B班がそれぞれ潜入して明朝に各地で同時多発テロを起こすじゃん?後にC班が国のお偉方の個人資産にハッキングをしかけんの。そうやって警察と自衛隊の上層部の手をふさいだ隙に、俺らD班が地味~に動いてに田舎のスーパーやコンビニや銀行を小悪党よろしく襲撃するわけ。警察の人手が足りない隙に、更にE班は都市部で大規模スリよ。そして仕上げにF班がマスメディアへ芸能系の嘘の特ダネをバラ撒いて情報撹乱ね。事故や事件に飢えたハイエナに餌をちらつかせて、瞬間的に動きを封じる訳。
用意周到だよなぁ。一班20~50名の総勢約200名でやっていく訳だが、分け前足りるんだろうか。我々D班の稼ぎは相当な額になる見込みだが、C班はセキュリティ次第では儲け0もあり得る。E班はまぁ雑費と火薬代の穴埋めくらいにしかならんだろうしな。まあどうせ、半数以上のメンバーは死ぬか捕まる所まで、幹部連中は折り込み済みなのだろうが。
さて、A班が動き出したか。臨時ニュースで大騒ぎしてる。やっちまえB班。ふふ、更に続報とキャスターが焦っているな。マスメディアの手は既に足りていなそうだ。この分ならF班は要らないくらいかもな。C班の事は明るみには出るまい。汚い奴らの汚い金を狙っているからな。D班も動くとしよう。
塵芥は言い放つ。
「強盗だ。命が惜しければ金を出せ」
はは、縮み上がってやんの。見せしめに一人撃っておくか……
「やめろ!」
青年が飛びかかってくる。丸腰。素人。話にならない。こちとらプロぞ。投げ技を食らえ。
ベキ
「ぐあああ」
おーお。勇敢な青年の腕がへし折れてら。受け身くらいは習うと聞いたのだが、少々やり過ぎたか。まあいい、見せしめはこいつにしよう。
塵芥はなお言い放ち、引き金をひいた。
「痛そうだな。楽にしてやるよ」
バン!
塵芥の視界は急激に暗くなった。ふらつく。
この銃声は警察が塵芥を撃ったものだったようだ。嗅ぎ付けれたか。少し予定より早かったな。
ふらり。
「ぐ……ふは、ふはは。同志達よ。先に地獄で待ってるぜ」
ふらふら、ふらり。
「ハハハッ!【真なる闇に悪の鉄槌を】!」
塵芥は自爆ベルトを起動して警察の突入部隊に突撃し、18名もの道連れとともに、荒々しく地球を去った。これにより、この現場におけるD班の銀行強盗作戦は、脱落者1負傷者2に対して利益150億円という大成功をおさめた。
メディア界隈には新たな波乱が起きるのだった。
強盗被害額修正 1500万→150億円