執事、地上にて狩りをする
二日目、今日から地上に降りて実際に魔物と戦う。
アリエルから沢山の武器と食料以外の野宿に必要なその他諸々を渡された。
なんでも異空間に入れておけば持ち運びが出来たり、食料は腐らないそうだ。
そして、その空間に住むことさえも出来るという事だから便利なもんだ。
「でも、食料は現地調達なんだな」
「当たり前だ。野宿をして、もし食料が尽きたら自分で食料を調達しなければいけないからな」
それって結構稀なケースじゃね?と思いながら俺は地上に降りた。
地上に降り立った俺は、まず何からしようかなと考えていると前方に魔物三匹が食事をしていた。
「お、あれは・・・・」
なんとそこに居たのは俺を殺したオオカミの魔物だった。
俺は木の陰に隠れるとその魔物を観察した。
(おいおい、いきなりのご対面かよ)
一応会ったら恨みを晴らそうと思っていた矢先にチャンスが巡ってきた。
さて、どうやって仕留めるか考えていると頭の中から声が聞こえた。
(闇で相手の動きを封じて攻撃をすればよいかと思います)
(っっ!?ビックリした!あんた誰?)
(申し遅れました。私、アリエル様から亮太様をサポートするように仰せつかった、ヘテルパンプと申します。気軽にヘルプと言って下さい。)
(まぁ、よろしく)
俺は会話を打ち切るとすぐに闇を使って魔物三匹の動きを封じた。
魔物三匹は闇から抜けだそうともがいていているが一向に抜け出せる気配がない。
そして、俺は異空間からナイフ三つ取り出し魔物に向かって投げた。
魔物にナイフが当たった瞬間、魔物が木っ端微塵に吹き飛んだ。
頭の中で、タッタラ~タ~ラ~♪タッタラ~♪とレベルアップの曲が流れたが俺はそんな事を気にしている余裕はなく、ただ魔物が吹き飛んだ事に呆然していた。
(おめでとうございます。レベルが上がったので確認して下さい)
(おい、ちょっと待て!今のは無視なのか!?)
(いえ普通、筋力SSであれ位だせばあのようになると思いますが?)
う、たしかにいつもより格段に力が上がっているのに思いっきり投げたらこうなるよな。
俺はヘルプに指摘されて落ち込んだが気を取り直してステータスを確認した。
NAME 本城亮太 (21)
Lv120
<職業> 執事Lv25
<属性>
火・水・雷・地・風・闇
<能力>
HP 999999/1236999
MP 999999/1230000
攻撃 SS
防御 SS
精神 SS
俊敏 SS
<スキル>
《自然治癒 大》《消費MP減 大》《状態異常無効》《物理反射 大》
《攻撃魔法無効》New!《必要経験値減 大》New!《隠密Lv1》New!《投擲Lv2》
New!《鑑定》
<装備>
Tシャツ ジーパン シューズ
「なんか、ものすごくレベルが上がっているんだけど・・・・」
(おそらく、魔物のレベルが高かったのと《必要経験値減 大》のせいだと思います)
なるほどねぇー。普通はこんなには上がらないよね。
(ところで、スキルのについているLv1や2って何?)
(それは、スキルの熟練度を表しており高ければ高いほど効力が良いのです)
なるほどねー。練習すればするほど高くなるのか。
そんなことを考えていたが、先程倒した魔物の血の臭いで他の魔物が来るといけないのでその場から急いで立ち去った。
数分ぐらい森を探索していたら、前方から二足歩行の蜥蜴がやって来るのがみえた。
俺はすぐに木の陰に隠れて先程覚えたばかりの《鑑定》を使って敵を調べてみる事にした。
NAME リザードマン
Lv250
〈属性〉
地
〈能力〉
HP 12000/12000
MP 500/500
攻撃 B
防御 C
精神 D
俊敏 A
<スキル>
<装備>
ショートソード
俺よりレベルが上だけど他の能力が下なので、さっきと同じ様に闇で動きを封じてナイフで仕留めた。
今回は前回の反省を踏まえて、かなり力を抜いたのでリザードマンが吹き飛ぶことはなかった。
タッタラ~タ~ラ~♪タッタラ~♪とレベルアップの曲が頭の中で流れた。
NAME 本城亮太 (21)
Lv180
<職業> 執事Lv25
<属性>
火・水・雷・地・風・闇
<能力>
HP 1240000/1560045
MP 999999/1500000
攻撃 SS
防御 SS
精神 SS
俊敏 SS
<スキル>
《自然治癒 大》《消費MP減 大》《状態異常無効》《物理反射 大》
《攻撃魔法無効》《必要経験値減 大》《隠密Lv2》《投擲Lv4》《鑑定》
New!《物理攻撃無効》New!《MP自然回復 大》New!《防御無視》
<装備>
Tシャツ ジーパン シューズ
(なあ、ヘルプ。この《防御無視》ってなんだ?)
(相手の防御力を零にして自分の攻撃を当てる能力です)
(・・・・・・チートじゃねぇ?)
(チートという言葉の意味は判りませんが亮太様に敵う人はこの世界にはいないでしょう)
俺はヘルプの言葉を聞いて自分の能力について考えるのを諦めた。
途中、ワイバーンLv300と出会ってしまったがそれを難なく倒していった。
ワイバーンの肉はとても美味しいと教わったので今夜の晩飯にする為に刈り取った。
そして日が暮れて辺りが真っ暗になると夜行性の魔物が動き出す。
俺は適当な所でテントを張ることにした。
もちろん、テントを中心に半径五メートルに魔法で防御壁を作り魔物が入って来られないようにした。
そして俺は肉が焼けるまでの間、俺はワイバーンを倒したときに上がった能力を確認する事にした。
NAME 本城亮太 (21)
Lv214
<職業> 執事Lv25
<属性>
火・水・雷・地・風・闇
<能力>
HP 1500000/1600000
MP 1200000/1540000
攻撃 SS
防御 SS
精神 SS
俊敏 SS
<スキル>
《自然治癒 大》《消費MP減 大》《状態異常無効》《物理反射 大》
《攻撃魔法無効》《必要経験値減 大》《隠密Lv3》《投擲Lv5》《鑑定》
《物理攻撃無効》《MP自然回復 大》《防御無視》New!《スキル無効》
<装備>
Tシャツ ジーパン シューズ
能力を見て自分はこのまま魔王になってしまうのではと思ってしまうほどこのスキルは異常すぎた。
《スキル無効》
相手のスキルを妨害し無力化する
これだけの能力があれば魔王を瞬殺できてしまう。
「まあ、そうすれば早く元の世界に戻れるから良しとするか」
そう気を取り直して焼けた肉を食おうとしたら、突如ものすごい威圧感が襲ってきた。
急いで俺は異空間から武器を取り出し辺りを見回した。
すると、前方から大きな足音が聞こえくる。
そして、暗闇からじっとこちらを睨み付ける目があった。
「この威圧感を放っているのはあいつか?」
俺も負けじとその目を睨み付けた。
そして、暫くにらみ合っていたが諦めたのか睨み付けていた生物はどっかへ歩いていった。
俺も緊張を解いて焼けた肉を食い、明日に備えて早めに寝ることにした。
こうして二日目は終わったのであった。