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第8話 抱き枕って心地いい

朝ですよ☆今日は快晴。目覚めてみたらディーさんをしっかり抱き枕にしてました。

こっちの季節が今何か分からないけど、夜寒いんだよね………ディーさんの毛皮ってば暖かくってふわふわなんだもん☆と自分に言い訳してみたが………足を胴体に巻きつけるのはいかがなものか。

ディーさん重かったろうな………スマン。本当に。


一応、眠ってるらしい事を確認してそろそろ足を引き抜こうとする。

そしたら、ガシッと掴まれました。

まってまってディーさんそれ足だから。はーなーしーてー。

スースー寝息を立ててる事から寝ている事は確かなようだ。しかし、私の足の重み、実は丁度良かったんだろうか??? ディーさんの指を一本一本指をはがしていたら流石に起こしちゃいました。


き………気まずい。


想像してみてくれ。足はディーさんの腹の上、ガシッと掴まれたそれを剥がす乙女の図。


「お、おはようディーさん」


「いったい………何をしてるのだ? ミオン」


いや、事を複雑にしたのはディーさんでっす。私は起きる前に足を引き抜こうと思ったもん!!!


「いやぁ、なんでしょうね? 取りあえず、足を離してもらうとありがたい」


「む? そうかスマン。何故俺はミオンの足を掴んでるんだ??」


謝罪と共に一応説明しましたとも。何があったのかをね。


「………と、言うわけです。ごめんね重かったでしょ?」


ちょっと自分で重いって言うのは女として屈辱なんだが。


「いや、ミオンの足くらいたいした重さではない。しかし、足を掴んだりして悪かったな」


「いいよ。吃驚して焦ったけどそれだけだし」


伸びをしながらそう言う。

ディーさんはそうか、と言ってチリンチリンとベルを鳴らすと女官さんを呼んだ。

そしておもむろに服を脱ぎ始めました☆


「うわぁっ 何やってるのディーさん」


「? 何って着替えるのだが。ミオンも着替えたほうがいい。スマンが合うサイズの物が子供用しかなくてな………ミオンも嫌かと思ってな。今日、急いで服をつくらせる。服が出来るまで昨日着てたもので我慢してほしい」


そういいながらテキパキと着替えさせてもらってるディーさん。

モコモコの毛皮の下には引き締まった筋肉がアリマシタ。あれに抱きついて眠ったんか私。

今更ちょっと恥ずかしい。確かに昨日借りたネグリジェはふりふりリボンがいっぱいついてて子供っぽかった。寝巻は別にいいけど、普段着はちょっと、ねえ。

私も着替えようと思ったのだけどディーさんは出てく気配ないし、無駄にデカイカーテンの裏で着替えました。あれか、偉い人たちって着替えを見られるのに抵抗がないんだろうか? それとも虎の子扱いされてる私だからだろうか??


「ふむ。着替えたな。ミオン、ベルを持て」


そう言って女官さんを呼ぶベルを渡されました。


「三度鳴らしてみろ」


私がチリンチリンチリンと鳴らすと、大きいほうの扉が開いて三人の虎さんが入ってきた。

一人は青い男の虎さん。もう一人は白い女の虎さん。最後の一人は黒っぽい女の虎さんだった。

皆一様に頭を下げる。


「面をあげよ。………ミオン。昨日紹介すると言った者たちだ」


「妃殿下にはご機嫌麗しく………僭越ながら妃殿下のお勉強を見させて頂く事になりましたウェリン・ゾット・マイヤールです」


青い虎さんが深々とお辞儀をしながらそう言った。


「この城で女官長をさせて頂いているジラルダ・ノイ・オベールと申します。ここにいるのは妃殿下の身の回りのお世話をいたしますミーシャ・エル・レンブラントと申します。以後お見知りおきを」


そう言ったのは白い虎さんだ。


「ミーシャと申します妃殿下。これから宜しくお願い致します」


最後の黒っぽい虎さんが神官のジュド―さんの妹らしい。


「リンの知識は賢者というに相応しい程だ。なんでも聞いて教えて貰え」


「陛下。言い過ぎです」


苦笑するリン先生。


「ジラルダはこの道40年のベテランだ。何かとミオンの助けになってくれるだろう。最後にミーシャだが機転もきくし年の頃も近い。丁度いいだろう。三人とも俺が信頼する者たちだ」


その言葉に改めて3人が頭を下げる。


「えっと、神埼 深音です。これから、宜しくお願いします」


そう言って頭を下げたら皆に笑われた。


「ミオン様、私どもにあなた様が頭を下げる事はないのです。ミオン様はただ頷けばよろしい」


これはあれか。偉い人は基本頭下げないってやつか!!! 

しかし、ずっと妃殿下呼ばわりだったらどうしようかと思ったけど名前読みにしてくれてタスカッタ。自分じゃもちろんそんな自覚ないからムズムズしてたんだよね。


「ええっとはい。でも、公の場以外なら許可して下さい。私の国ではごく当たり前のことなので」


「そうなのですか………では、誰も見ていない所でお願いしますね」


悪戯っぽく笑ってリン先生が言う。良かった。この人は悪い人じゃなさそうだ。


「午前中にミオン様の服をつくるものが伺います。お好きなようにデザインをおっしゃって下さいませ」


笑顔でジラルダさんが言う。


「少々、おかしな所もある仕立て屋ですが仕事熱心で良い腕をしております。安心してお任せ下さい」


やっぱり笑顔でミーシャさんが言った。一体どんな仕立て屋さん何だろう。

私は、早くもこの三人が好きになり始めていた。



深音、この世界で上手くやって行けそうです。

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