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第70話 大変そうだけど頑張ります

目を覚ませば隣に大好きな人の顔があって暫く堪能させて頂きました。

凝視してた気配で起こしちゃったらしい。ディーさんがどうした?って感じで首を向ける。

私は何でもないよと言ってディーさんの腕に抱きついた。ディーさんの手が優しく髪を撫でる。

今日から三日間、大変そうだけど頑張ります。

腕を抱きしめたまま「ディーさん、誕生日おめでとう」って言えば「あぁ、有難うミオン」って言葉が帰って来た。そっと抱きしめてくれる腕が暖かい。一番初めに「おめでとう」が言えるのは妃殿下の特権だね。

ディーさんとおはようのキスをした後起き上がる。さぁ、プレゼントを渡さなきゃ!!!

驚いてくれるといいなぁ………。

ワクワクドキドキしながら昨日、ベットの下に隠したプレゼントを取り出す。ディーさんは片肘をついた状態で興味深そうに私の行動を見ていた。

白い箱を2つベットに伏せて置く。


「これは………?」


「うーんと、ディーさんには内緒にしてたんだけど………お仕事始めたの。ヨランダさんのアドバイザーをね?最近なんだけど………で、これは初めて貰ったお給料で買いました………誕生日プレゼント。貰ってくれる?」


こう言う時正座になるのは日本人のサガかしら?

驚いて目を見開いたディーさんが「見てもいいか?」って言うので「どうぞ、どうぞ」と促す。

箱をひっくり返したディーさんが破顔する。


「ジョージ・ロペスの作品だな………。デザインは一緒に考えたのか?」


「何でわかったの?!」


「1度見れば職人の癖が大体わかる。ジョージは宣伝のために自分の作品を何個か着けているだろう?2、3度会ったからな。覚えた。ジョージの癖じゃないのも混じっているから、てっきりミオンも考えてくれたのかと思ったんだが」


「正確にはミーシャさんとヨランダさんも考えてくれたんだけどね?」


私は額縁の下の方にある留め金を外してその蓋を開ける。


「ちゃんと実用品なんだよ。使わない時はコレに入れて壁に飾ったりすれば鑑賞もできるし………」


「剣の柄頭の飾りとタイピンだな。どちらも良い出来だ。これなら、物を選ばす着けられそうだ。折角だ、衣裳係に言って今日着けさせて貰おう………しかし先を越されたな」


そう言ってディーさんがゴソゴソ枕の下から出したのは小さな四角いケースで。


「ミオン。俺も受け取って欲しいものがあるのだ」


目をつぶるように言われてその言葉に従う。左手をとられ………薬指に金属の冷たい感触?これって………。思わず目を開けて見てしまった。左手の薬指にはピッタリはまった銀色の指輪。

全体的に細身の指輪なんだけど石の嵌ってる部分がまるでティアラ見たいなデザインになっててとっても可愛い。石の色は真ん中が赤みがかったピンク。周りがダイヤみたいな透明な石が散りばめられている。

これって婚約指輪というやつだろうか?まさかこっちにも、そんな習慣があるとは思わなかったよ?私は嬉しくてそのままディーさんに抱きついた。


「王家に伝わる意匠だ。王妃となる女性はは代々この形のものを着ける………結婚式の指輪は御揃いのものをつくって貰おうな」


うんうん頷く。まさかディーさんの誕生日に私がプレゼントを貰うなんて思ってもみなかった。


「ミオン、大切にする。ありがとう」


「私も大切にするよ?ディーさん………嬉しい!ありがと!!」


「残ってくれると決めてくれた時から今日渡せたらと思っていたんだ………間に合って良かった」


安心したように言うディーさんに私はふと疑問に思った事を言う。


「良くサイズ分かったね?」


「手を重ねた時に、ミオンの薬指が俺の小指とほとんど同じ大きさだったからな。後は目測で大体これ位だろうと言う………まぁ、勘だ」


サイズがあっていてホッとしたと言うディーさん。指輪のサイズ言ってないのにピッタリなんてなんか嬉しい。

指輪があるってだけなのにちょっともうお嫁さん気分。


「そうだ、ミオン。考えていたんだが………3日目はミーシャを休ませていいか?」


「?いいよ。私もどこかでミーシャさんにお休みとって貰いたかったんだよね………忙しいばかりだったし。で、出来ればその時にリン先生とデートとかできないかなぁって」


「いきなりデートは無理だろう」


呆れたようにそう言ってからディーさん悪戯っぽい笑み。


「だが、いい案がある。誕生祝いの最終日にミーシャを休ませて、パーティのエスコート役をリンにさせようかと思ってな」


「!!それいい!!人の事言えないけどさー。二人って中々進展しそうにないし………それって王様権限???」


「王様権限と言うやつだな。リンに拒否権はない。ミーシャには内緒だぞ?休みをとらせてエスコート役は頼んでおいた、としか言うつもりはないからな?」


その言葉にうんうん頷く。


「絶対ビックリするね!!!言わないように気をつける」


後でミーシャさんに怒られるかもしれないけど。構わない。なんとかコレを切っ掛けに二人の距離が縮まるといいんだけど。出来ればそのままくっついちゃったって構わない。むしろくっついちゃえばいいのに。リン先生も、高嶺の花と思わずに思い切って手を伸ばしてくれないかなぁ………。

大好きな人達にはやっぱり幸せになって欲しいです。

コンコンとノックの音がしてミーシャさん達が入って来る。私とディーさんは何事もなかったようにテーブルに向って朝食をとった。とったって言っても微々たるものですが。だって今日はこの後コルセットギュウギュウにしめるんだもの。いつもの量食べたら絶対リバースしちゃう。私3日間で絶対痩せる自信があるよ。

ディーさんが女官さんにさっき渡したプレゼントを使いたいから衣裳部屋に持っていくように指示を出す。急だけど大丈夫なのかな?と思ったら急に変わる事って結構あるそう。それに対応できてこそ一人前の女官さんと衣裳係さんなんだって。

軽食を終えて、私達はそれぞれの部屋の隣にある衣裳部屋へ。


「後でな、ミオン」


「うん。後で」


私はディーさんに手を振ると衣裳部屋へ。

衣装部屋への扉をくぐるとき、ミーシャさんが「ミオン様、指輪お似合いですね」って言ってくれた。

人から言われるとちょっと照れくさい。少し赤くなりながら「ありがとう」って言うと自分の事見たく喜んでくれているミーシャさんの姿があって。なんだか嬉しさが2倍になる。早くミーシャさんもリン先生に思いが伝わるといいなぁ………。

ディーさんは誕生日プレゼントを深音に貰い、深音は指輪を貰いました。

この機会にリンさんとミーシャさんの距離が縮まるといいなぁ………。

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