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第65話 猫の子いる?って感じで

フランクなカラント神としっかり者のトゥレン神が言う事にゃ、私が覚悟を決めれば子供を授けて貰えるそーです。カラント神に至っては、猫の子いる?って感じで聞いてきたよ!!!はっきり言ってあまりに簡単に言われたから大丈夫かしらと思った。神だから何か出来るって事??しかも覚悟ってなんですか???痛いとかツライとか何かを犠牲にって事だろうか………微かな不安が募る。後ろで、レンブラントさんやミーシャさんリン先生達が息を飲むのが分かった。諦めてた事をポンっと投げ渡されてちょっと戸惑っているのが分かる。私も戸惑ってるしね………。好きな人の子供だもの。産めたらいいなって心から思う。その方法があるのなら多少の覚悟は致しますが!!!緊張の面持ちで覚悟の種類を聞こうとした時だった………。


「俺はミオンに危険な事をさせたくない。そう言う類のものであれば俺は子供はいらん」


キッパリと言いきってくれたのはディーさん。そう思ってくれるのがとても嬉しくて胸が苦しい。抱きかかえられた腕の中寄り添えば、ディーさんがポンポンと腕を叩いてくれた。あぁ、私この人を好きになって本当に良かった………。


『危険は特にないよ?覚悟は必要だけど………』


ねぇ?とティレンカ女神に小首を傾げるカラント神。その様子に呆れた顔のトゥレン神が口を開いた。


『本来なら兄上が説明するのが良いのですが………脱線しそうなので………私が説明します。何故、ティレンカが子供を産めたと思います?大虎族ルーヴェンシア人の姿であるからです。深音嬢は理解できると思いますがこれは遺伝子レベルから書き換えてこの姿をしている訳です。つまり、ルーヴェンシア人と同族になれば、余程の事が無い限り子供はできる………覚悟とは、深音嬢が己の姿を捨てる事ができるか、と言う事です』


後ろでミーシャさんの「そんな………」と言う声が聞こえる。


『周りの連中が覚悟を決めるとしたら、どんなルーヴェンシア人になるかやってみないと分からないし、僕達じゃどうしようもできないから、あまり可愛く無くなっても文句言わないで欲しいってくらいかなぁ』


大丈夫だとは思うけど、と内容的にはかなり余計なお世話な事を言ったのはフォトン神だ。この神、どうも地雷踏むのが好きらしい。案の定ディーさんに「どんな姿でもミオンはミオンだ」と言われてバツが悪そうにしている。


「つまり、慣れ親しんだ身体を捨てて虎さんになれば良いって事だね………」


考えるようにしてそう言えば、ティレンカ女神以外の3人が頷く。ティレンカ女神は心配そうに私を見てから口を開いた。


『一応、生命の危険は無いが………お前たちの時間で半年ほど掛る。後、弊害があるとすれば多くの時間をを眠って過ごす事になることか。変化の最初の頃はそれほど問題は無いが、徐々に変化が進むにつれ眠りが深くなるな。身体を遺伝子レベルから弄るのじゃ。それなりに負担がかかるからの』


19年生きて来た身体だものもちろん愛着はある………。

ふと、顔をあげればディーさんの苦悩に満ちた顔。


「俺は………ミオンに同族になってくれとは言えない………。俺はどんな姿でもミオンを愛する自信がある。けれど、姿を変えろとは………」


『どうやら覚悟はディークラウド王にも必要みたいだね?』


カラント神が苦笑しながら言う。


「差し出がましいようですが、他に方法はないのですね」


そう聞いてくれたのはレンブラントさん。


『ないよ。異種族間で子供が出来ないのは僕等の宇宙の大前提だからね………他の宇宙だとそうでもない所もあるんだけど………混ざると管理が大変になるからさ。君等だって、この世界環境で、ごちゃ混ぜの特徴を持った子供が産まれたら困るでしょ?』


カラント神がそう言えば、他の神も頷く。


『元々は父上達、第1世代が作ったルールですが、我等は余程の事が無い限りそれを変える権限を持ちません』


どうやら第2世代の神々は全ての権限を任されてる訳ではないらしい。


『そうそう。面倒だし。それに父上達にお願いして認可貰う頃には君等の人生が終わっちゃってるよ』


フォトン神がお手上げという感じで空を見上げた。

猫耳とか、犬耳とかで後の身体は人間っていうのも嫌いじゃないけど………そんな種族ここにはいない。自分の子供が奇異の目で見られるのは確かに嫌だ。


『妾達は強制はせぬよ。ただ、随分子が出来ぬ事を気にしていたようだったのでな………いらぬ気遣いだったかもしれぬが、可能性は提示した方が良いだろうと言う事になった』


優しく微笑んで言うのはティレンカ女神。女神自身お母さんだからだろうか………その視線には慈しみが込められている。


『例外中の例外ですが………ルーヴェンシア以外を司る奴等には最初かなり文句を言われましたけどね………女神達は種族違いの恋にかなり心惹かれた様子で好意的だったし、最終的には他の神も面白そうだからという理由で納得させました』


………やっぱりここの神々って………普通の人間みたい。面白そうって凄いな。


『何よりも、他の神も皆、気配を消して眠ってたティレンカを見つけてくれた事に感謝してるんだ』


『君等は僕等の間では人気者だよ?』と言われてもあまり嬉しくない………。今も上の方から興味本位の熱い視線が数多く寄せられているらしい。そんな事言わなくていいのに!!!なんか落ち着かなくなってきた。それはディーさんも同じだったらしい。居心地悪そうに身じろぎする。


「俺達は見世物ではないのだが………」


『あははは。ごめんね。最近こんな面白………いや、見応えのある事なかったからさ。皆、割と単調な仕事に辟易してたんだよね………』


今、面白いって言おうとしたな………。どっちにしても、ドラマとかを見る感覚なんだろう。有難迷惑ですが………。


『いきなり結論出せっていうのは無理なんじゃないの?』


初めてまともな事を言った気がするフォトン神。

私としては、子供が産まれるかもしれないならルーヴェンシア人になるのも良いかと思うのだけど………。躊躇いが無い訳ではないんだけど………ディーさんの子供を産んであげられるならこんなに幸せな事は無いもの。私だって夢にまでみた『家族』ができる訳だし。ただ正直フォトン神が言ったようにルーヴェンシア人になってみたら凄い不細工さんでしたっていうのはちょっと………困る。ディーさんはあぁ言ってたけどさ。乙女心としては、せめて人並み希望。だって好きな人と一緒にいるなら少しでも可愛い方がいいもの!!!でも………なるようにしかならないっぽいしな………こんな感じになります、みたいな予想ができればいいのに。確かに覚悟は必要らしい………。

ディーさんはディーさんで苦悩中だ………私としては子供は欲しいけど、ディーさんが望まない事はなるべくしたくはないしなぁ。どうしよう。

さて、可能性が一つ提示されました。深音とディーさんが出す結論は?

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