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第62話 私には無理

結婚を前提に付き合い始めて分かった事………。ディーさんはキス魔です。

行ってきますのちゅーを求められた時にはどうしようかと思った!!!だってミーシャさんとか他の女官さんとかいるのに?!周りの人達が頬を染めてキラキラした目で見てくる。

無理です!!!日本人に人前でちゅっちゅする習慣ありません!!!いや、中にはしてた人もいたけど………私には無理。

こっちの人達って夫婦仲が良ければっていうのが前提だけど、自分の家の中なら使用人さんがいようといまいと関係なくキスしたい時にキスするらしい。いや、流石に軽いキスですが。そう考えると、この城自体がディーさんの家なんだから………安全圏ないんじゃ???

だけど、そんな文化に育ってこなかった私には荷が重く、腰引き寄せて今にもキスしてきそうなディーさんの口許を押さえて理由を言って断固拒否。

そもそもまだ結婚してないじゃん!!!と思ったけどそれを言うとディーさんが少し凹むので黙っていた。

ミーシャさんと女官さんの落胆した顔が忘れられない!!!無理だよ―!!!いつか出来るようになるかは分からないけど………。今は絶っっっ対、無・理。

そして出された代替え案が、おやすみなさいのちゅーと、あはようのちゅーはするっていうの。

二人だけで人いないし………まぁ。いいだろう。後は時々、ミーシャさんやレンブラントさんやリン先生やジラルダさんや女官さん等々………がちょっと後ろ向いた時とか唇を掻っ攫って行く………。

文句を言えば、見られてないから問題ない、と。

うぅ。まだ慣れない。私にはキスするだけでも恥ずかしいのに!!!

そんな感じで、今まさに、おやすみなさいのちゅーの最中です。

ディーさんはベットの端に腰かけてて、私はその膝の上。

そう。ディーさん膝だっこも好きなんだよね………。コレも人前でやりたくないものの一つなんだけど。二人だけの時に「いいよ」って言ってあげると凄く喜ぶので、ついつい許してしまう。

後は抱きしめるのも好き。これは私も好きだけど。だって落ち着くんだもん。


「何を考えてる………ミオン」


「ふぇ?」


唐突に唇を離されて上気した頬でディーさんを見上げる。まさか、ディーさんがキス魔とか考えてたとは言えないのでナンデモナイデスヨと答えたら、「なら、考えれないようにしてやろう」と物凄いキスをされました………。腰が砕ける!!!言えない。誰にも言えない。経験浅い人間になにするの!!!(注:ただのディープキスです)

非難を込めて睨めば満足そうなディーさんに、おでこにちゅっとされました。

あぁ、これで許したくなっちゃうんだから、私も大概ディーさんに甘い。

この所忙しくて夜にゆっくりとした時間取れなかったしねー。ベットに潜り込みながらそう考える。

私は今日あった事の報告とかをしながらミーシャさんを困らせた数日前から聞こうと思ってた事を口に出した。


「………リン先生の好きな人って………私も知ってる人?っていうか身近にいる人、かな?」


「どうした急に」


「えーっと、知り合いでリン先生の事が好きな人がいて………ちょっと探りを入れたく………」


そう言った瞬間、ディーさんの眼がキランと光った。


「誰だ?」


「ナイショ」


「俺は聞かれてるのにか?」


「う―、だからヒントしか聞いてないじゃん!!!」


「………じゃあ後で俺もヒントを貰おう。………リンの好きな女性ひとはお前も知ってる」


ふむ。そしたらやっぱりミーシャさんが可能性高い???あっ!!!エルザさんもいるか………エヴァンジェリンちゃんって事は流石に無いじゃん?リン先生今、凹んでないしイリアナさんはもちろん除外。ジラルダさんは………流石に年離れすぎだよね??そう考えるとミーシャさんかエルザさんだね。


「リンの事を好きだというのは、俺とミオンと親しい人物か?」


「………うん………」


「そうか!!!俺が思い浮かべている人物だといいのだがな。そうすれば二人は両想いだ」


「だよね!!!私もそうだと良いなって!!!」


ちょっと興奮し気味に話し合う。


「少し、リンに発破をかけてみるか………10年以上想ってるんだ。いい加減、想いを告げてもいいだろう」


「えっ!!!そんなに長いの?!」


「あいつとは………王侯貴族の男子が通う学校があるのだが………王になる前、リンとはそこで出会ってな。年下ながらも優れた知識を持っていたために、俺達と同じ学年で学んでいた。ある日、城の図書室が見たいと言っていたので連れて来てやったんだ。その時、二人は出会った。リンは完全に一目惚れだったぞ?人が恋に落ちる瞬間というのをはじめてみた」


一目惚れだったんだ!!!それから10年以上………。なんで告白しなかったんだろう???


「当時、リンの家は没落寸前で奨学金で学校に通っていた。身分も違ったし、おそらくは気遅れしたのだろう。今はもうちゃんとした地位もある。あるが、『こんな………本の虫で青瓢箪な私の事を好きになって貰えるとは思えません』と言ってな」


「何処が青瓢箪!!!リン先生素敵な人だよ?!」


「俺もそう思うが、当人がそう思い込んでるんだ。しょうがない。あいつにとって好きな女性ひとは今でも手の届かない所にある高嶺の花なのさ」


うー。どうしたらリン先生に自信を持って貰えるかしら???

ちょっと切ない気持になってディーさんにすり寄り、ディーさん腕の中で下から顔をあげて困ったように眉根を寄せる。


「頼むからそんな顔しないでくれ………。リンには発破をかけておくから」


「うん………。っていうかそんなに変な顔???」


「変な顔と言うか………上目使いはちょっとキツイ。色々………我慢が………」


「???我慢て何???」


小首を傾げてそう言えば、腰を引き寄せられてまた深くキスされました?!!!


「~~~~っ」


ベシベシと叩いたら離してくれたけど。ぜーっはーっ!!!


「こう言う我慢だ。………暫く上目使い禁止だな。後、首をかしげるのも。もし破ったら人前でキスされても文句は聞かん」


「身長差あるんだから上目使いにもなるでしょが!!!」


おーぼーだ!!!おーぼー!!!


「普通に顔全体を上にあげて目を見て話せばいいだけだ。だろう?」


うぅ。確かにそうだけどさぁ………毎回だと首が疲れるんだよね。そう言ったら、我慢した方が身のためだと言われた。いきなり襲われたくなければ?!だって。

うぅ~!!!頑張ればいいんでしょ?!!頑張れば!!!



まだまだディーさんの心は葛藤が多そうだ。

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