第20話 秋の夜長のお供に丁度良い
おはようございます。朝です。今日もディーさんのモフモフは秋の夜長のお供に丁度良く………抱き枕として大変結構でした。だって、ビロードみたいな肌触りが気持ちいいんだよ!!!
後いい加減、目の前で着替えられるのにも慣れちゃった………。だって気にしてるの私だけで馬鹿みたいだったんだもん。最近気付いたんだけど、ディーさんて左胸に青い入れ墨みたいな紋様があるんだよね。気になってマジマジ見ちゃったらその視線に気づいたディーさんが説明してくれました。
どっかで見た事あると思ったらこの王国の紋章だそう。王様になった時に神々から王の証として刻まれたんだって。胸のあたりは短毛なんだけど、紋章の部分だけより一層毛が短い。まるで焦げたみたい。
「痛かった?」
「いや、熱かった」
そう言ってディーさんはその時の事を思い出したのかちょっと眉根を寄せました。
下帯び一枚のディーさんとこんな会話ができるようになるなんて私も成長したなぁ。
おそるおそる触ってみれば、そこの毛だけ他と違って堅いのが分かる。くすぐったそうにディーさんが身じろぎしたので流石に手を離した。
さて、そろそろ私も着替えねば。この前カーテンの後ろでこそこそ着替えた事を疑問に思ったディーさんが用意してくれた簡易更衣室………っても部屋と違和感ない設えにされてて無意味に豪華だけど、で私も着替えを始める。ドレスは流石に一人では着れないからミーシャさんに手伝ってもらう事が多いので今回もお願いした。
今日のドレスはひざ丈より少し長いワインレッドのワンピース。肩がちょっと膨らんでて袖口は七分丈の肌にぴったりとしたもの。ビロードのリボンが袖口付近でアミアミされててカワイイ☆後ろは背中にずらりと並んだ小さな黒曜石の丸ボタンがついていてとてもじゃないけどミーシャさんなしには着られない。袖口には鉤編みされた黒のレース。ワンピースのスカート部分は二重になっていて上の生地は前に2か所、切れ込みが入っている。下の黒の布地が動くたびに見える仕様だ。黒の布地の裾はレース状になっていてチラチラ動くそれが大変可愛らしい。
首元もまた黒のレース生地。詰襟になっているんだけど黒のレースが胸元まで続いてて下地のワインレッドの生地とよく合っている。これに黒のガーターストッキングをはいて同じく黒のショートブーツを履けば今日のドレスも完璧☆です。
「今日はワインレッドか。ミオンの白い肌に良く映えるな。似合っているぞ」
「そう? ありがとディーさん」
ディーさんの服への褒め言葉も何時もどうり。これにも慣れて来たなぁ………最初はなおしてって言ったんだけど、ミーシャさんにまで反対されたんだよね。
曰く、着飾った女性に褒め言葉の一つも言えないのは男として失格なんだって。
こっちは褒められなれてないから最初はお尻がムズムズしたもんだ。
ディーさんの服もなかなかカッコいい。かぼちゃパンツじゃないしね。イギリスの近衛兵みたいなチュニック、赤じゃなくて白だけど。ビシっとした詰襟には豪華な金の刺繍がされてて長袖の袖口にも金の刺繍がされてる。肩には金の飾緒。ボタンもこれまた金で腰のベルトと革靴だけが黒く肩から腰にかけて青の太いタスキみたいのがかかってる。これにも白糸で豪華な刺繍がされていた。ズボンも白。やっぱり裾には金の刺繍がされていてシンプルそうなのにとても豪華な白鞘の剣を腰に下げている。この鞘の色、服の色によって変わるらしい。執務用の服はいつもこんな感じだ。
着替え終わったので二人で朝食。他愛ない話をしながら今日のメニュー、ベーグルみたいなものを食べる。ベーグルと違うのはそのモチモチ度が半端じゃない事。ミックスジュースと一緒に美味しくいただきました。
「さて、俺はそろそろ政務に行かねばな。ミオン調理場に行く日が決まったら教えてくれ。俺も最近顔を出してないからな。一緒に行こう」
「うん! わかった。ディーさん行ってらっしゃい。お仕事頑張ってね」
そう言うとディーさんは目を細めて微笑みながら行って来ると言ってお仕事に、そして残された私はミーシャさんと共にリン先生を待つのだった。




