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第19話 実はちょっと気まずいです

食事が終わってみればディーさんと二人、実はちょっと気まずいです。

気まずいって一方的に私だけが、なんだけど。さっきのやり取りが微妙にいたたまれないまんまだったりする。こっぱずかしい気分もまだ消えない。これが人間の男の人相手だったら完全に恋愛フラグなんだろうなぁって思う。でも、ディーさんは虎さんです。

落ち着け私。ディーさんはたらし要素(酷い)あるかもだけど人間じゃない。


「どうしたミオン? さっきから顔が赤いぞ?」


「なんか、アツイダケデスヨ?」


「熱でもあるのか?」


おでこに手をあてられました。良かった手で。おでこ同士は今ハードル高すぎる。


「………熱はないようだな」


「うん。全然元気だしね」


こっ恥ずかしいだけとも結局言えず暑いなぁとか言って手をパタパタする私。うう、不自然。


「そうだそうだ。ディーさん今度厨房に行ってみたいんだけど………」


ここは無理矢理方向転換がいいだろう。


「どうした? 急に」


「最初っから思ってはいたんだけど、お料理とっても美味しいからさ。どんな人たちがつくってくれてるのかなぁって。本当ならお礼も言いたいところだけど………」


「礼はさすがにな………だが見に行くのは別に構わんぞ? 俺も時々顔を出す。礼を言うのとは少し違うように思うかも知れんが、職務をねぎらう事は必要だからな」


「ふむふむ、じゃあ、ミーシャさんと相談して行けそうな時に行ってみようかな」


それがいいとディーさん。そうかぁ、顔を出すのがねぎらう事になるのか。

少しでも有難うの気持ちが伝わるといいケド。


「そうだミオン、そろそろ、執務に目処がつきそうでな。翼竜に乗りたいと言っていたろう? 暫くしたら休みを取るからミオンもその日は勉強を休んだらどうだ?」


「え?! 本当にっ!! 嬉しい!!!」


一気にテンションあがりました♪ 翼竜に乗るなんて素敵イベント逃すはずないじゃないディーさん!!

思わず、抱きつきたくなっちゃう。


「そうか、ミオンがそんなに喜んでくれるのなら俺も張り合いがあるし嬉しいぞ」


とっても嬉しそうに笑ってくれたので私も更に嬉しくなる。さっきの気まずい感じはもう消えていた。


「ねぇねぇ行くのってやっぱり一日がかり???」


「そうなるな。途中で休憩も必要になって来る。オアシスによるのが一番か………当日は供を着けずに行くからそのつもりでいてくれ」


「えぇ?! 王様がお供を付けなくて外出して平気なの?」


「空にはほとんど危険がないしな。供をつれて行けばオアシスによるのも仰々しくなりすぎる。ミオンの世界では供を付ける事が当たり前なのか?」


「テロ………じゃなくて、暗殺とか起きないように警護の人は当たり前だし、行く先の安全も事前にチェックされるよ」


そういうとディーさんはちょっと驚いた顔をした。


「ミオンの世界は存外危険が多いんだな」


「いや、普通に危険は一杯です」


「そうなのか? こちらでは………王は暗殺される事はまずない。神々によって王家の血の濃いものが選ばれて王になる。暗殺すると言う事はその神々に対して文句を言うのと同じ事だ。暗殺するなら自分も死ぬ気で行かんとな」


納得です。神々の力はそんなところにも影響していたのか。


「でもさ、要人攫って身代金~とかないの?」


「ない事もないが、王様ですと宣伝して歩く訳でもないしな。お忍びで行けば貴族の夫婦が息抜きに遊んでいるようにしか見えまい」


「ディーさん。私が目立つ事忘れてない???」


国民にお披露目こそされてないとはいえ、きっと私の容姿は噂位にはなってるだろう。明らかに違うんだもん。絶対バレル。


「む。そうか………確かにミオンの容姿は目立つな。当たり前に傍にいるから失念していた。しょうがない、オアシスに寄る時は顔をラシャで隠すか」


「ラシャってなぁに?」


「南方の日差しが強い所の民が被る布でできたものだ。顔をすっぽりと隠す。あちらは砂埃も多いしその方が涼しいのだそうだ。それだと夫婦ものと言うより貴族の恋人達が密会しているようになってしまうが」


「密会?!」


「女性が顔を隠すのは大概、身分違いの恋人と密会するのに邪魔されないよう顔を見られないようにする場合が多い。ラシャを着けた女性の顔を見る事は不敬にあたるからな」


「はぁそうなんだ。こっちの世界も恋愛は大変なんだね」


そんな話をしていたら言いにくそうにディーさんがこちらを向いた。


「………ミオンはあちらの世界で好きな男や付き合っている男はいなかったのか?」


「うーん………いなかったねぇ。残念ながら。そもそもいたらこの状況、今よりもっと納得出来てないよ」


「そうか!」


ディーさんなんだか嬉しそう。そうだよね。いない方が罪悪感も減るってものだ。


「なんだか眠くなってきちゃった」


「そうだな、今日はもう遅いそろそろ寝ようか」


そう言って二人ベットにもぐり込む。おやすみなさいとあいさつして私は意識を手放した。




ディーさんとミオン………恋愛フラグが立ってるんだか立ってないんだか………

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