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第10話 仕立て屋さん来襲☆

ミーシャさんとのお散歩から帰ってみると扉の前に馬鹿でかい熊みたいな虎さんがいるのが見える。


「うわ、もしかしてあれ仕立て屋さん? 待たせちゃったのかな??」


「予定より1時間は早いです。おそらくミオン様のことが気になって気になって気になってしょうがなくて早く来たのでしょう。ミオン様がお気になさる事はありませんわ」


「そ、そうなんだ?」


自業自得です。というミーシャさんに私は仕立て屋さんに対する不安を覚えた。

そんなに私の事気になるって何故??? 聞こうと思った瞬間―――野太い声が。


「きゃー☆噂に違わぬ虎の子っぷりっっ!!! いやーん!! かーわーいーいー☆抱きしめたぁーい!!!!」


気付けば当人が目の前に。足はやっ!!! 結構距離があったよね??? 今。

流石の事態に私もドン引きです。

逃げ腰な私の手を掴みゆっさゆっさする仕立て屋さん。胸はない。男物の服だ。←キランキランしてるけど。声野太かったし男、だよね? これはあれか? おかまさんてやつか!!! 

納得したら落ち着きました。しかしここでも虎の子扱い………(泣)

―――私ってそんなに幼くみえる???


「ヨランダ、ミオン様が驚いてます」


「あれ?名前は女のひと??」


思わず、失礼な事が口から出ました。


「ごめんなさいねー。つい。私虎の子が☆だ―い好き☆で。ちなみに私の性別は男よ??? 十二人の姉に囲まれて育ったせいでこんな感じだけれど。うふ。ヨランダなのはうちの父親が次もどうせ女の子だと思ったせいね。まぁ気に入ってるケド」


おかしな所もあるってこういう事かぁ………。まぁ、こういうの嫌いじゃないからいっか。


「はぁん。なんて華奢で虎の子みたいなのかしらん。陛下のお嫁さんじゃなかったら持って帰りたい!!!」


「ごめん。それはちょっと………」


前言撤回。ちょっと怖い、かな。


「あら。ごめんなさいねぇ、おびえさせちゃったかしら。だいじょうぶよう。そんな事しないから☆」


くねくねしながら言われました。ちょっと面白い。


「はいはい。じゃあミオン様お部屋に行きましょうか?」


ミーシャさんがヨランダさんを軽くいなして部屋へと向かう。

ヨランダさんは尻尾を振り振りついてきた。

部屋に戻るとヨランダさんが期待のこもった眼で私をみてる。


「今日は本当に楽しみにして来たの。だって異世界のデザインと直に対面できるなんて奇跡、なかなかないでしょう??? その服も面白いわぁ」


成る程。確かに。

仕事熱心でもあったんだなヨランダさん。普段着の服なのが申し訳ない。


「まずは採寸してから、デザインを考えましょうね☆楽しみだわぁ」


そういうとサッとメジャーを出し採寸し始める。

私は人形宜しくテキパキとした指示に従った。


「いいわぁ、このスレンダーなボディ。何着せても似合いそう」


うう。スレンダーを強調しないでくれ!!! 胸が無いのがいたたまれる。


「あ、今胸が………とか思ったでしょう? あまり大きすぎても邪魔なだけよぅ。あったらあったでそれなりの魅せ方があるケド、カッコよく服を着こなすにはミオン様のような体型の方がいいわよ?」


別にまっ平らな訳じゃなし、と言われました。

そうかなぁ? 私はあった方がいい気がするんんだケド。


「じゃぁ、採寸も済んだし、今度はデザインやっちゃいましょうか」


うきうきとテーブルを目指していくヨランダさん。わたしとミーシャさんもそれに続く。

テーブルに着くとミーシャさんが紅茶を入れてくれる。

それを飲みながら私はヨランダさんがデザイン帳とペンを出すのを見ていた。


「こっちのデザインはこんな感じなんだけど………」


見せられたのは中世ヨーロッパ的なドレスの数々で………。


「いきなりちょっとハードル高いわよねぇ………」


「うん。絶対転ぶ自信がある。そもそも、動きずらいの苦手だし」


「ミオンさまの着ているようなものがいいのでしょうか?」


そう言ったのはミーシャさん。

ちなみに私が着てるのはヒダヒダのスカートに七分丈の花柄のシャツです。


「ちょっと地味なのよね。こちらの感覚からすると。でも、デザインを取り入れる事はできるわよ?」


「じゃあ、ぜひ取り入れて貰いたいかも。こっちの方が着なれてるし」


そういうとヨランダさん描き描きし始めました。


「こんな感じだとどうかしら?」


見せられたのはヒダヒダ倍増しのスカート。前の方が短く後ろの方が長くなっている。

裾にはレースがあしらわれててとっても可愛い。上着の方は七分袖で、袖口の方がふわりと広がってる。詰襟にも、前の数の多いボタンの所にも鉤編みしたレースがくっついててとても可愛かった。

良く見れば、スカートも上着も嫌身にならない程度に刺繍が施されてる。絵でこれだけ表現できるってヨランダさんさすがプロって感じだった。


「私、これ好き!! 可愛い!」


「いやーん☆そんなミオン様が可愛いっ!!!」


ヨランダさんにくねくねされました。面白いなぁ………。


「色は今の時期を考えると上着は深緑、下は赤でどうですか?」


そんなヨランダさんをほっといてミーシャさんが言う。


「深緑はいいわね。でも赤だとミオンさまにはキツ過ぎる気がするわ………そうねぇ茜色の方がいいのじゃないかしら。レースは上下共に黒にして………」


「あぁ、確かに。その方が可愛らしいですねぇ」


ヨランダさんがサッとデザイン帳に色を塗る。


「こんな感じになるかしら?」


見せてもらったのは更に可愛さを増したもので………。私はぐっと親指を突き出した。


「それはいいって意味かしらん?」


「あぁごめん、いいって意味デス」


気に入って貰って良かったわ~というヨランダさんが、後何点か着やすそうなドレスを書いてくれてこの日はお開きになった。

ヨランダ来襲です。動きのいいキャラが増えてちょっと楽しい(笑。

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