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第9話 朝ご飯はサンドイッチ

紹介が終わるとディーさんはお仕事にいきました。

朝ご飯は食べない主義だそう。


昼には一度戻って来ると言い置いて、リン先生とジラルダさんと去って行った。

ちなみにリン先生の授業はもう少し落ち着いてからって事になりました。

私はと言えばミーシャさんが用意してくれた軽食をもさもさ食べてます。今日はサンドイッチ。もちろん、サンドイッチさんがつくった訳もなくこちらの世界ではモサロというらしい。


「お味はいかがですか? ミオンさま」


「おいしーです。なんか香辛料も効いててスパイシーなとこが特に」


「それは良かったです。朝から美味しい物を食べれた方が元気がでますからね。陛下はあぁ見えて抜けてる所も御有りですけど良い方ですので嫌いにならずに付き合って下さいませね」


あぁ見えてがどう見えてか分かりませんが………どうもちょっとした仕草が昔、施設で飼ってたトラを思い出すから嫌いにはなれそうもない。しかしミーシャさんにこう言われるディーさんって………(汗)


「取りあえず、嘘は吐かないって約束してもらったから大丈夫です。今のところ嫌いになる要素もないし」


「そうですか! 良かったです!! 陛下って朴念仁な所が御有りですから………年齢は違いますが幼馴染として心配だったんです」


幼馴染だったのかぁ………じゃあ、必然的に神官のジュド―さんもそうなんだな。


「そう言えば、年が近いっていってたけどミーシャさんは幾つなんですか? あとディーさんも」


「私は21です。陛下は御年27におなりですわ」


ごめんディーさん、35位かと思ってた。だって落ち着いてるんだもん。

食事が終わった所でミーシャさんが紅茶のおかわりを注いでくれる。いたれりつくせりだ。


「ありがとうございます」


「人前ではお立場もあって出来ないでしょうけどミオン様の世界のお礼をいうっていう文化、私は好きですわ」


「そういって貰えると嬉しいです。気を付けるけど人前でやりそうになったら止めて下さいね」


「はい。わかりました。………私、正直覚悟してたんです。泣き暮らす方かお怒りになっている方のお世話をするんだろうなって。でもミオン様のような方で本当に良かったです」


どうやら、私の印象はその予想もあって格段に良かったらしい。

ニコニコと笑ってるミーシャさんを見て自分の性格が前向きな事に感謝した。


「私も、いつも一緒にいる相手がミーシャさんで良かったです」


ちょっと照れながら言うと、大変喜ばれました。


「食事の後はいかがなされますか?」


「仕立て屋さんは何時頃来るんでしょう?」


「そうですねぇ………二時間後位だと思います」


「じゃあ、ちょっと庭を見てみたいです」


じゃあ行きましょうかと、扉から廊下にでる。扉を開けてくれた人に軽く挨拶しながら外に出た。

長い廊下、女官の人たちが道を開けて礼をしてくれる。慣れない事に落ち着かない気持ちを味わいながら庭に出た。時々すれ違う人たちが、昨日のように私に驚く事はない。

どうやらディーさんが何か言ってくれたらしい。


そうやってミーシャさんと庭を散策していると………豪華なドレスを着たお嬢様方に行きあった。

相手は3人。軽く会釈をされたけど、どうも感じが悪い。扇で顔を隠してクスクス笑う。

所々「あれ」とか「ジター」とか聞こえてくる。あまりいい事は言ってなさそうだ。

ミーシャさんが眦をあげて相手を睨みつけてから私を案内してその場を離れた。


「あの人たち、なんて言ってましたか?」


「ミオン様はお知りにならなくても大丈夫です」


プリプリしながらいうミーシャさんに感謝しつつも私はもう一度聞いた。


「あの人たちが悪口を言っていたのはわかります。一応、知っときたいんです」


「ミオン様………―――分かりました。あの方達が言っていたのは『あれが妃殿下………虎の子と言うよりもジターがお似合い』と言っていたのです。ジターと言うのは………おとぎ話に出てくる悪い妖精の名前です。その………」


「言いにくい事を有難う。あんまり可愛くないっていうか醜いんですね? そのジター」


「はい………でもっミオン様はお可愛らしいですっ!!! 虎の子のようにっ」


力説されました。しかしどこに行っても虎の子なんだなぁ………。なんでだろ。

散策を続けるとバラ園に着いた。大輪の薔薇から小ぶりの薔薇まで大変綺麗。

しかし、王族って何で薔薇好きなんだろう。いや、綺麗なんだけどね? 

こんなに沢山、管理が大変そうだなぁ。


「ここも綺麗ですが、私は奥にある泉の畔が好きですわ。今日は時間がないので明日行ってみませんか?」


「ぜひ行ってみたいです」


そう言うと、二人笑いあった。

仲良しさんが増えました。

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