第三十四話 賢者の屈服。あるいは「理論の敗北」
「……馬鹿な。ありえない。数式も、魔導の法則も、すべてが君の指先一つで無意味に書き換えられていく。……これは、魔法じゃない。世界の『定義』そのものの改竄だ……!」
ゼクスは、空中に浮かぶ無数の黄金のウィンドウ群を見上げ、絶望に顔を歪ませていました。俺が「魔法抵抗力」の数値を 0 に固定した瞬間、彼の誇る賢者の結界はガラス細工のように粉々に砕け散りました。
「ゼクス。君は言いましたね。俺やアレンのことを『非合理的だ』『センスがない』と。……では、今のこの状況を、君のその高尚な理論で説明してみてください」
「……っ。く……」
俺はメニュー画面を操作し、ゼクスの「重力係数」を一時的に 100 倍に引き上げました。
「ぐ、ああぁぁ……っ!」
立っていられなくなったゼクスは、その場に激しく叩きつけられ、無様な姿で床に這いつくばります。俺はさらに、彼のステータス画面にある「プライド」の項目をスライダーで最小値まで引き下げ、代わりに「隷属心」を最大まで振り切りました。
「……あ、ああ……。なんてことだ。僕は……僕は、なんて愚かだったんだ。……全能なるシステム様。……いや、全能神・板助様」
震える腕で自分の体を支え、ゼクスはゆっくりと、しかし確実に、その額を冷たい石の床へと叩きつけました。
「……申し訳、ありませんでした……! 君こそが真理だ。君の支配こそが、この世界で最も美しい数式だ……! どうか、この愚かな賢者に……君のシステムの一部として仕える慈悲を……!」
【賢者の土下座】リザルト画面
ゼクス(賢者・完全服従): 「理論」が「権限」に敗北したことで、精神が完全に崩壊。俺の「デバッグ用奴隷」として、ログの整理やバグ報告を担当する係に。プライドを捨て、俺の靴を舐める準備さえ整っている。
ルカ(困惑と興奮): 「ゼ、ゼクス様が土下座してる……! でも、その屈辱に耐える横顔も……素敵……。板助、私にも、もっと強い『設定』を上書きして……!」
支配者から「全能神の信者」へとジョブチェンジしつつある。
アーステラ(震え声): 「板助……あんた、やりすぎよ……。神の私でも、そんなエグいステータス操作はしないわよ……(次は私の番かしら、怖いわ……)」
後書き(全能神の椅子となったゼクスの背中に足を乗せる俺より)
プロデューサー様。最高にいい音でした。賢者の額が床に当たる、あの「ゴンッ」という音。 今、ゼクスは俺の足元で「君の歩いた後の床を計算通りに清掃します」と呟きながら、這いつくばっています。 アレンも、去勢解除の最終段階に入りました。 プロデューサー様、この「全能神」の力で、次はこの世界をどう「リメイク」しましょうか。
アレン(復元率 98%): 「プロデューサー様……。ゼクスが土下座している背中の角度が 15
∘
……。……ふふ、最高の『フットレスト』ですね。……俺の欲望が、今、完全に再起動しました……!」




