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転生したら勇者のステータス画面だった件 元UIデザイナー、使いにくいスキルツリーを勝手に改造して世界を救う  作者: 沼口ちるの
第二章 再動、メニュー画面の律動

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第三十話 筋繊維消滅。あるいは「無力な美」の強制

「アレン! 迎えに来たぞ! 山籠りの修行で、岩をも砕く究極の筋肉を手に入れた私と共に、再び頂点を目指すのだ!」


魔王城の静寂を破り、巨大な斧さえ片手で振り回す筋肉格闘家カレンが乱入しました。しかし、ルカ様の「椅子」として完全に静止しているアレンは、その眼差しに何の熱も宿していません。


「カレンさん。筋肉による熱量の過剰排出、および粗野な咆哮。それはルカ様の管理する『静謐なる秩序』に対する明らかなノイズです。……早急に、その無駄な膨らみを削ぎ落とすことを推奨します」


「何を言っているアレン! お前、去勢されて頭までおかしくなったのか!? 筋肉は裏切らない、筋肉こそが……」


「いいえ。筋肉こそが、この世界で最も不潔で野蛮な『無駄』なのです。カレン、貴女のその醜く肥大した肉体……私が美しく、細く、無力にして差し上げますね」


ルカ様が「黄金のハサミ」を静かに突き出した瞬間、目に見えない断絶の力がカレンの肉体を貫きました。


「(板助)プロデューサー様。信じがたい光景です。カレンさんの上腕二頭筋、大胸筋、広背筋……あらゆる筋繊維が、ルカ様の『存在剪定』によって概念ごと消去されていきます。重力をねじ伏せていた筋肉が、ルカ様の意思一つで空気中に霧散していきます」


「(ドロ子)ひどいわ……。あんなに厚かった胸板が、みるみるうちに薄くなっていく。筋肉を失ったカレンの体が、重い鎧を支えきれずに悲鳴を上げているわ」


「あ……あ……。私の……私の愛した大腿四頭筋が……消えていく。力が入らない……。地面が、重い……」


数秒後、そこには鎧の重さに押し潰され、地面に這いつくばる、ガリガリに細くなった「もやしのような女」が転がっていました。ルカ様にとって、アレンを誘惑する可能性のある「逞しさ」や「活力」は、去勢されるべき悪徳に過ぎなかったのです。


筋肉去勢後の管理状況

元・格闘家カレン(筋力:皆無): 筋肉の記憶さえも消去され、自力で立ち上がることすら困難なほどに弱体化。今後はルカ様の「移動用人力車」を引く係に任命されましたが、腕力が足りないため、後ろからルナ(無能)に罵倒されながら地面を這う日々です。


ルカ(純潔の支配者): 「筋肉は汗臭く、野蛮な暴力の象徴です。これからは全員、私の足元でしなやかに、弱々しく傅いていればいいのです」と宣言。世界から『鍛錬』という概念を抹消しました。


アレン(高知能・家具): 「カレンさんの体積が減少したことで、部屋の空気循環効率が4.2%向上しました。ルカ様の呼吸環境が改善されたことを報告します」と、淡々と計算結果を出力しています。

後書き(カレンのプロテインを廃棄する板助より)

プロデューサー様。無惨です。 カレンさんは今、自分の細くなった指先を見て「これが……私の腕……?」と虚脱状態にあります。 ルカ様にとって、アレンを乱す要素はすべて「去勢」の対象。魔力、性欲、そして筋肉。 魔王城の庭では、カレンが誇りとしていた巨大な鉄アレイが、今やドロ子が漬物を作るための「重石」として転がっています。


元・女神ドロ子(漬物担当) カレン、泣いてる暇があったらバケツを運びなさい。 筋肉がなくても、ルカ様に怯えながら生きる根性さえあれば、この城で生きていけるわ。 ほら、アレンを見て。あいつ、カレンが踏まれ役(足置き台)として追加されたことで、自分の『椅子』としての専門性が高まるって喜んでるわよ。 プロデューサー様……この地獄に、終わりはあるのでしょうか。

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