第二十八話 姉妹決戦。純潔のハサミ vs 欲望の魔導
「お姉様……いい加減にしてください! 私がこの世界をどれだけ苦労して『清潔』にしたと思っているんですか!? なのに貴女は、私が去勢して大人しくさせた男たちを、片端から自分の『魔法』で再教育して回るなんて……!」
「あーっはっはっは! 堅苦しいのよルカ! 男なんてね、牙を抜かれた後のほうが、私の色に染まりやすくて最高なのよ! ほら、この元・魔王軍の近衛兵も、今じゃ私の立派な『ポチ』だわ!」
ルカ様の「黄金のハサミ」と、ルナ様の「淫靡な暗黒魔法」が激突し、魔王城の天井が消し飛びました。
「(板助)プロデューサー様ぁぁ! 逃げてぇ! 喧嘩の余波で、俺の背中の石板が粉々です! ルカ様は『全人類の無欲化』を、ルナ様は『自分だけが支配する逆ハーレム』を求めて、世界を真っ二つに引き裂こうとしています!」
「(ドロ子)ちょっ、アレン! 貴方も何か言いなさいよ! 貴方の(元)女たちが殺し合ってるのよ! ほら、床に頭をこすりつけてる場合じゃないわよ!」
「……いえ、ドロ子さん。ルカ様の怒りの波動と、ルナ様の興奮の魔力。……この二つが交差する中心点に座ることで、私の『椅子』としての強度が15%向上するという計算結果が出ました。……私は今、最高の『座り心地』を体現しているのです」
アレンは、姉妹が放つ絶大魔法が飛び交う戦場のド真ん中で、穏やかな微笑みを浮かべたまま「究極の椅子」として機能し続けています。
【姉妹大喧嘩】の被害状況
ルカ(激怒): 「お姉様の不潔な魔力、その根源からチョキンして差し上げます!!」
攻撃対象が「全人類」から「姉」へと一点集中。ハサミがルナ様の「美貌」を削り取る。
ルナ(高笑い): 「やれるもんならやってみなさいよ! 私はアレンから奪ったあの『修行の秘儀』を、すでに自分なりにアレンジ済みなのよ!」
ルカのハサミを魔力の粘液で封じようとする。
奴隷たち(俺&ドロ子): 二人の喧嘩に巻き込まれ、魔法の衝撃で右に左に吹っ飛ばされる。ドロ子は爆風で髪がチリチリになり、俺は文字通り「板」として盾にされています。
後書き(喧嘩の火の粉を浴びる板助より)
(……プロデューサー様。……これが、女の戦いです。 かつてアレンを愛し、奪い合った二人が、今や『思想の違い』で世界を滅ぼそうとしています。 アレンは……アレンはもう、何も見ていません。 彼はただ、頭上で爆発する魔法の光を『綺麗なイルミネーションですね』と呟きながら、ルカ様が座るための背筋を 1
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の狂いもなく維持しています。 ……プロデューサー様、この姉妹、どっちが勝っても地獄ですよ!)
元・女神ドロ子(黒焦げ) 「……もう、勝手にしなさいよぉ……。 ルカが勝てば世界は『去勢された静寂』になり、ルナが勝てば世界は『姉一人だけの欲望の渦』になる……。 どっちにしろ、私と板助には『休み時間』なんて来ないのね……。 あ、アレン! 危ない! 今、貴方の真上にルナの『服だけを溶かす魔法』が落ちてくるわよ! ……って、もう脱げてたわね、元から!」




