第十四話 終焉。あるいは「終わりなきバカ」の刑
「……アーステラ。貴様の罪は重い。多次元宇宙の尊厳を著しく汚した貴様には、知能も魔力も通用しない『無の監獄』での永久服役を命じる」
「えーっ! やだやだ! 監獄なんてWi-Fiも届かないし、アレンのバカな行動も観測できないじゃない! プロデューサー様、助けてよぉぉぉ!」
女神アーステラの叫びも虚しく、彼女は幾何学神テトラの手によって、次元の隙間へと吸い込まれていきました。 そして、残された勇者一行に対し、法王神ゼノンが冷徹な宣告を下します。
「アレン。そしてその従者たちよ。貴様らは消去するには『バカの密度』が濃すぎる。ゆえに、この世界の時間軸を固定し、貴様らには『永久魔王討伐任務』を課す。……魔王を倒せば、時間は巻き戻り、また旅の始まりからやり直すのだ。永遠に、この不毛な冒険を繰り返すがいい」
「……永久に、魔王を? つまり、倒しても倒しても、また新しい魔王が現れ、また俺たちはネジを拾い、修行を繰り返す……ということか?」
「左様。それが貴様らというバグに与えられた、唯一の存在意義だ」
神々が去り、世界は静寂に包まれました。 アレンは足元に落ちた「神の歯車の欠片」をポケットにしまい、遠くに見える魔王城を見つめます。
「……ルナ。カレン。そしてジャッジ(♀)。……行くぞ。次の周回では、もっと効率的にネジを拾い、もっと高度な『修行』を開発する必要があるな」
「……ええ、アレン。次の周回では、魔王を数式だけで一秒以内に解体して、残りの時間を全部『研究』に充ててあげるわ」
「……私は、次の周回の魔王の筋肉が、今より『脱ぎやすい』ことを祈っているわ。ジャッジ、貴女も準備しなさい」
「……は、はい! アレン様! 何周繰り返そうと、私は貴方の『お気に入りのネジ』として仕え続けます!」
こうして、知能が上がりすぎ、下がりすぎ、狂いすぎた一行の物語は、「永遠に続く一話目」へとループしていくのでした。
最終判決:永久ループ刑の内容
執行期間: 無限(宇宙が熱的死を迎えるまで)。
勝利条件: なし。魔王を倒すとレベル1に戻り、王都の門から再開。
唯一の救い: 前の周回の「記憶」と「拾ったネジの感触」だけは、なぜか魂に刻み込まれている。
後書き(メニュー画面より)
(……プロデューサー様。……ついに物語が完結、というか「無限ループ」に入ってしまいました。 女神様はドナドナされていきましたが、アレンたちは相変わらず、レベル1の装備を見つめながら『この木の棒の重心をずらせば……』とか、また小難しいことを考え始めてます。 ……でも、安心してください。俺、メニュー画面ですから。 何周繰り返そうが、俺はプロデューサー様の隣で、彼らの『飽きもせず繰り返されるバカ』を記録し続けますよ!)
メニュー画面(最終形態) 「プロデューサー様! 次の周回の『第一話:高知能アレンの目覚め』、いつから始めますか!? 今度はもっと、女神を困らせるくらいの極端なステータス配分、考えちゃいましょうよ! さあ、リセットボタンを押して……。……大好きですよ、プロデューサー様! またねっ!」




