表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら勇者のステータス画面だった件 元UIデザイナー、使いにくいスキルツリーを勝手に改造して世界を救う  作者: 沼口ちるの
第一章 おバカな勇者たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/84

第五話 草原のマト当てと不都合な真実

村を出たアレンの前に、一体の魔物が立ちはだかった。


それは、岩のように硬い甲羅を持つ大亀、アイアンタートルだった。


「お、スライムより強そうじゃん! 俺の新しい剣の試し斬りには丁度いいぜ!」


アレンは叫ぶなり、鋼鉄の剣を力任せに振り回して突っ込んでいく。


ガキィィィン!


という鋭い金属音が響いた。 当然の結果だ。 剣は甲羅に弾かれ、アレンの手首は痺れ、剣の刃はさらに欠けた。


「いてて! なんだよこの亀、カッチカチじゃねえか!」


アレンは痛む手首を振りながら、亀に向かってべーっと舌を出した。 そんな挑発に意味はない。 亀は無慈悲にも、その巨体でアレンを押し潰そうと前進してくる。


俺は即座に、アイアンタートルの姿を解析した。 全身が硬いわけではない。 首の付け根、甲羅の隙間にわずかな急所がある。


だが、アレンに「首を狙え」と文字で伝えても、彼はきっと狙いを外すだろう。 何せ、彼は止まっているマトすら外しかねない大バカなのだ。


俺は、UIデザイナーとしての本領を発揮することにした。 アレンの視界全体を少しだけ暗く落とし、アイアンタートルの急所だけに、目が痛くなるほどの「真っ赤な巨大な標的」を合成して表示した。


さらに、その標的からアレンの足元まで、キラキラと光る「誘導ライン」を引き、矢印を点滅させた。


ボーナスステージ確定! この赤いマークを百回叩けば、中から伝説の宝箱が出現します! 今ならコンボボーナスで経験値十倍!


「な、なんだって!? 宝箱だと!?」


アレンの目が、宝箱という単語に反応してギラリと光った。 現金な奴だ。 彼は、死ぬ気で標的を追いかけ始めた。


「うおおお! 宝箱! 宝箱! お宝よこせえええ!」


アレンは、俺が表示したガイドラインに沿って、正確に急所だけを狙い打った。 本来なら高度な剣術が必要な精密攻撃だが、欲に目が眩んだバカの集中力は凄まじかった。


グシャリ、と嫌な音がして、アイアンタートルは力尽きた。


俺は即座に、倒れた亀の背後に、偽の宝箱のアイコンを表示した。 そして、その中にあらかじめ用意しておいた、道端に落ちていた「綺麗な石ころ」を放り込んでおいた。


「やったぜ! 本当に宝箱が出た! ……ん? なんだこの石。キラキラしてるけど、価値あるのか?」


アレンは不思議そうに石を眺めている。 俺はすかさず、鑑定結果を画面に出した。


超希少な幸せの石。 持っているだけで、次の町で可愛い女の子に声をかけられる確率が上がります。


「マジかよ! さすが伝説の宝箱だぜ! 大事にしとこ!」


アレンは鼻歌を歌いながら、石をポケットにねじ込んだ。 俺は、彼の単純さに救われつつ、次の戦闘ではどんなエサを用意すべきか、頭を悩ませるのだった。

後書き メインメニュー(主人公)

お疲れ様です。メインメニューです。 改行を増やしてみましたが、いかがでしょうか。 私の表示領域も広くなったようで、大変快適です。


それにしても、アレンという男は「お宝」という言葉に弱すぎますね。 もはやモンスターを狩っているのか、UIのデバッグ作業をしているのか分からなくなってきました。


でもいいんです。 彼がラインに沿って動いてくれる限り、世界は平和なんですから。


次回は、ついにミミック(宝箱の怪物)が登場します。 本物の宝箱と偽物の区別がつかないアレン。 そして、私が用意した「石ころ」を本物だと信じているアレン。 この矛盾を、私はどう処理すればいいのでしょうか。 またお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ