第四十一話 魔王のゆりかご。アレン、再誕(ただし斎藤の管理下)
「……おぎゃあ、おぎゃあ!(訳:なんだよ! 俺のアイテム図鑑が真っ白じゃねえか!)」
辺境の村のボロ屋。産まれたばかりの赤子、アレンが激しく泣き叫ぶ。 しかし、その枕元に立っていたのは、村長でも産婆でもなかった。
漆黒のスーツ(乳児用特注サイズ)を身に纏い、神々しいまでの後光を背負った男、デズモンド斎藤である。
「……おはよう、アレン君。いや、今は『被検体001号』と呼ぶべきかな?」
斎藤の指先が、赤ん坊のアレンの額に触れる。その瞬間、アレンの脳内に「三万回の記憶」と「絶倫魔王の恐怖」が、圧縮データとして一気に流し込まれた。
「ひぎゃあああ!(訳:斎藤! お前、なんで産婦人科にいるんだよ!)」
「君のこれまでの冒険は、非効率の極みだった。 だから私は『時間の管理権限』を奪取し、君の人生をゼロからコンサルティングすることにした。 ……安心したまえ。今度の君は、私の徹底したスケジュール管理のもと、離乳食の時点から『最強の性勇者』として英才教育を施してあげるよ」
斎藤がパチンと指を鳴らすと、空から哺乳瓶型のレアドロップアイテムが降ってきた。
システム通知:再起動(Ver. 2025.12) 勇者アレン:Lv.1(精神年齢:三万回周回済み、肉体:新生児) 守護魔王:デズモンド斎藤(Lv.カンスト、ネクタイ着用)
【現在進行中のタスク】
おむつの交換(斎藤による完璧な手捌き)
ルナ(赤子)とカレン(赤子)の早期マッチング
「さあ、アレン君。まずは私の『教育的指導』に従って、ミルクを飲んで寝たまえ。 ……君が『大人の階段』に足をかけるその日まで、私が一分一秒を完璧に管理してあげよう……くふふ」
アレンは、斎藤の眼鏡の奥で光る「支配欲と慈愛(と、わずかに残る絶倫の残滓)」の混ざった瞳を見て、今世も終わったことを確信した。
後書き
新生・赤子アレン (斎藤に高い高いをされながら) 「お、おぶぅ……(訳:おいやめろ! 恥ずかしくてコンプリートどころじゃねえ! メニュー画面さん、せめて俺のステータスに『おむつ卒業』のパッシブスキルを付けてくれ!)」
真・統治魔王デズモンド斎藤 「……アレン君。赤ん坊のうちから『羞恥心』を学ぶのは、将来の絶頂を高めるための必須科目だよ。 さあ、次はルナ君(生後三ヶ月)との『積み木による合同研修』の時間だ。 ……大丈夫。私が見守っているからね」
魔導士ルナ(乳児) (おしゃぶりを咥えたまま、アレンを見て) 「……あぶぅ、だ。……ばぶぅ!(訳:アレン様、また最初からですの!? でも……今の斎藤様の眼差し……なんだか『理想のパパ』に見えてきて……これはこれで、新しい扉が開きそうですわ!)」
女戦士カレン(幼児) (すでに木彫りのクワをダンベル代わりにして) 「ぬおっ! 私の肉体が小さい! これではゼクスを挟む隙間がないではないか! ……斎藤殿。早く私に、最高級の離乳プロテインを支給しろ!!」
賢者ゼクス(概念) (時戻しの影響で、まだ精霊として漂いながら) 「……もういい。もういいよ。 勇者が赤ちゃんで、魔王がパパで、ヒロインが幼稚園児……。 俺、もうこのまま『空気中の成分』として一生を過ごすよ、メニュー画面さん……」




