第四十話 暴走する管理職。斎藤、加減を知らぬ「初陣」
「ははは! 見たまえアレン君! これが……これがルールから解放された私の『出力』だ!!」
魔王城の玉座の間。そこには、アリアを抱き捨て……もとい、あまりの激しさにアリアを気絶(昇天)させ、なおも全身から「ピンク色の高圧蒸気」を噴き出している斎藤の姿があった。
その魔圧は、城の壁を溶かし、周囲の魔物たちを「あ、これ以上見たら脳が焼ける」と退散させるほどに凄まじい。
「お、おい……斎藤……。お前、ちょっと落ち着けよ」
クワを肩に担いだアレンが、珍しく一歩引いている。
「落ち着くだと? 効率を重んじる私が、なぜ『賢者タイム』などという無駄な時間を過ごさねばならんのだ! 私は今、三万年分の未決済(未経験)の感情をすべて処理しているのだ! アリアだけでは足りない! ルナ君、カレン君! 君たちもまとめて『最終承認』してあげよう!!」
斎藤の目が、もはや「社会復帰不可能」なレベルで爛々と輝いている。
(……あわわ、メニュー画面さん! 斎藤さんのステータスが、童貞を捨てた反動で『攻撃力』ではなく『性の持続力』のみが無限ループに入ってます! これ、アレンさんでも勝てない……というか、関わっちゃいけないタイプのバグですよ!!)
「……ひ、ひぃぃ! アレン様! あの人の目、あれは『管理』じゃなくて『捕食』の目ですわ! 私、さすがにあの『重厚なコンプライアンス(肉体)』に一晩中付き合わされたら、魔力が枯渇してミイラになっちゃいますわ!!」
「私だって御免だ! あの男、さっきから私の大腿四頭筋を『最高の抱き枕ですね』とか言いながら、計算機みたいな指つきで揉みしだこうとしてくるんだぞ! 恐怖しか感じん!!」
カレンもゼクスを盾にしながら後退りする。 真の魔王となった斎藤。それは、あまりにも長すぎた「抑圧」が爆発した、全自動・無尽蔵の情熱マシンだった。
後書き
勇者アレン 「……なあ、ゼクス。俺、アイテムコンプリートはしたいけどさ。 あんな『ギラついた斎藤』からドロップするネクタイ……なんかベタベタしてそうで、触りたくねえな」
賢者ゼクス (斎藤のあまりの変貌に、悟りを開いた顔で) 「……言ったじゃないですか。 理性が強い人ほど、それが壊れた時の『振り幅』は計算不能だって。 ……メニュー画面さん。斎藤さんのログ、今のうちに『劇物』として封印しておいてくれませんか?」
真・統治魔王デズモンド斎藤 (シャツのボタンをすべて弾き飛ばしながら、アレンに迫る) 「さあアレン君! 次は君だ! 君のその『本能』、私の『情熱的な統理』で完璧に上書き保存してあげよう! 残業だ! 朝まで残業(修行)だぞ!!」
魔導士ルナ 「……誰か、誰かあの人にネクタイを締めて戻してくださいまし! 真面目な斎藤様の方が、まだ可愛げがありましたわ……今の斎藤様は、ただの『歩く絶倫災害』ですわよ!!」
千人斬りのアリア (白目を剥いて倒れたまま、幸せそうに微笑んで) 「……あ、あはは……。千人斬った私でも……一人に……完敗だわ……(ガクッ)」




