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ウロタン・シハラシィ王の物語

作者: 流星光

むかしむかし、

今から数百年前…西暦でいうと2010年ごろ、

ある国に、ウロタン・シハラシィという王様がおりましたそうな。


王様は、お金持ちで権力を持っていました。

国民を見下していました。

となりの国の人たちをバカだと思っていました。

みんな死ねばいいと思っていました。


王様が特に嫌いだったのが、

国の中でエッチな絵ばかり描いて、人々に見せている人種でした。

その人種の名前を、ガンマ・セクシャロイドといいました。


彼らは、みな、ほがらかで良い人たちばかりでした。

だけど、朝早く起きることができず、夜になると元気になりました。

そして、少しだけエッチでした。

絵が上手だったため、自分の気持ちを絵にして、

たくさんの人に見せて楽しんでいました。


王様は、ガンマ・セクシャロイドたちが大嫌いでした。

今すぐ、ぜんいんの首をはねてやりたいくらい嫌いでした。

でも、そんなことをすると、国民が怒るので、

法律を作りました。


「これから、エッチな絵を描いてはいけません!

 いや、描いてもいいけど、人に見せてはいけません!

 違反した人は、首をはねます。殺します!」


という法律でした。


この法律は、めちゃくちゃなため、みんなが反対しました。

だけど、王様は、ずるい方法で無理やり法律を作ってしまいました。


そのやり方はこうです。


この法律とは関係のないまったく別の法律の賛否を問う多数決を取る時に

みんなが手を上げる0.8秒前に、

王様は素早く小さな声で言いました。


「『これから、エッチな絵を描いてもいいけど、

 人に見せてはいけません!

 違反した人は、首をはねます。殺します!』

 とうい法律に賛成の人は手を上げて!」と。


悪賢い王様のずるいやり方によって、

このめちゃくちゃな法律は、可決されてしまいました。


ガンマ・セクシャロイドたちは、


「どうせ人に見せられないんだったら、

 エッチな絵を描くのはやめよう」


と言って、絵を描くのをやめてしまいました。


その国では、エッチな絵を描く文化が消えてしまいました。

となりの国にも、この国のエッチな絵が大好きな人がたくさんいたので、

となりの国民も、とてもがっかりしました。



それから1年後、王様の住むお城に大きな雷が落ちました。

王様は、驚いて、目をはげしく何百回もパチパチとまばたきしました。

何百回何千回とまばたきを繰り返しました。

その熱で、目が溶けて失明してしまいました。


それだけではありません。

王様が愛する4人の息子にも不幸がおとずれました。


一番上の息子は、画鋲を鼻に詰められてしまいました。

二番目の息子は、傘を持たずに外出先で雨に降られました。

三番目の息子は、政治家になってしまいました。

四番目の息子は画家でしたが、自分もHな絵を描きたいと激しく思って、

我慢できずに、王様には内緒で自分の部屋で描いています。


そうやって、この王様が生きているかぎり、

この国の国民は、ずっと不幸でした。

だから国民は、みんなこう思っていました。


「はやく王様が死ねばいいのに」


王様は、そのあと、108歳まで長生きしました。

最期は、まわりに誰も寄りつかず、たった一人で、

暗く、寂しい部屋で冷たくなっていたそうです。


               おしまい。

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