表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
酒オンライン ~飲酒するためにVRMMO始めました~  作者: 時すでにお寿司
1章 酒カスがVRの世界に飛び立つ
1/2

01 酒が無いなら空想の酒を飲もう1


 「お酒を控えた方が良いっていうのは、どのぐらいですか?あの、一日に一缶位なら良いですか?」


 「桜井さん。……控えるっていうのはですね、禁酒って意味です。0ですよ」


 俺は趣味が酒を飲むことで、ゲームやら何やら酒とともに生きてきたのだが……。


 「とりあえず一ヶ月って……長すぎないか」


 流石に医者の言うことを無視して飲酒したあげく苦しんで救急車なんてあり得ないので、禁酒するしか無いのだが……。


 「そういや……あれ!」


 前に食べ物の味や匂いを特殊なVR端末で認識出来るようになったと大々的に報道していた事を思い出した。


 全然興味が無かったので、調べた事すら無いが……これなら合法で酒が飲める!


 俺は早速調べることにした。


 

 結論で言うと、そこそこあった。

 だけど、一番評判の良かったものがよりによってMMOジャンルのゲームだった。


 手軽さで言うならソロ用の酒造りシミュレータが値段も飲めるまでも断トツだけど、レビューが何とも……って感じだった。


 先月配信開始した基本無料のMMOであるアンリミテッドアルカディア、略称のAAの味覚再現度がとんでもなく高いらしい。


 そのためか他のソフトは評価を相対的に落としているんだとか……。


 MMOか。社会人のおっさんには少し時間的なハードルが高い気もするが、酒の為だ。


 俺は手持ちの機器が対応していたことに安心しつつ、早速ダウンロードすることにした。


 ダウンロード中に世界観の紹介PVが流れるが、飛ばして動作確認とキャラクタークリエイトに移動出来るみたいなので、早速そちらを進めることにした。


 思考入力というとんでもない技術によって、手足を動かす必要が無くなったし、視覚と聴覚以外の5感も対応しつつあるVRゲームの界隈であるが、頭にVRと付ける名残がある。


 ゲーム歴そこそこの俺の操作技術は並だ。

 とんでもなく上手い訳では無く、下手って程でも無い。良く居る中間層である。


 操作確認は済んだし、キャラクリである。


 こういうのは逆張りでもしない限り、デフォで美男美女であるが、方向性は割と自由が利くし、多様性の発展で太ったり痩せたりも設定出来る。俺はやらないけど。


 どうしようか考えて酒飲むのに顔も体もどうでも良くないか?と早く飲みたい気持ちが勝ったのでAIによる自動判定機能を使いオススメのキャラクリをして貰う。


 なんせ他ゲーとかの設定やら好みやらも取り込ませてあるから信頼度は高い俺専用のAIだ。

 今回もなんか良い感じのキャラクリを複数パターン用意してくれている。

 俺はその中で酒に焼けたようなハスキーな声で喋る長身の女性キャラを選択した。


 正直主人公と同じ村で育った最初に仲間になる槍使いの青年キャラを選ぼうと思ったのだが、なんか毎回そんな感じのキャラクリをしているなと思ったので、たまにはと変更することにしたのだ。


 今回は冒険やら何やらが目的じゃないし、酒飲めれば良いだけだしな。


 ちなみに自分の音声ファイルを作ることで地声プレイも可能だ。

 マイク機能で喋る事も出来るが、思考入力でキャラボイスによる会話の方が喉に負担も無いしな。


 ちなみにナンパとかは全然出来ない。

 そういうのを受け入れるかは設定で変えられるので、ソロが好きならオンにしておくと非表示とか自動でやってくれる。


 俺は今回知り合いリストに登録済みの相手のみコンタクトOKにしてある。


 とはいってもそんなに居ないし、同じ時間に同じゲームをやっているかも分からないから会うかは未知数だ。


 ではダウンロードも終わったし、ログインしますか。



 ログインに成功したので、画面が切り替わる。

 あー、所属国家とか初期スポーン地点とか色々選べるのか。


 大雑把に東と西、中央と南が初期から選べる。

 国の特色的に南の方が暖かく、北は初期では選べないが寒いらしい。


 これ単純に温度によるデバフがある感じだ。そりゃ初期装備で北極に行くようなもんだし、凍傷にでもなったら終わりだわな。


 てことで、特色に鍛冶の町と表記のある東の大陸の一番東側を選んだ。


 あれだろ、ファンタジーの定番で鍛冶と鉱山と言えば酒が大好きな種族が居る感じがしたのだ。


 てことで東の大陸、最東端の町である鍛冶の町トンケルを選んでOKを押す。


 待っていてくれ、まだ見ぬ美酒たちよ。

 今俺は初スポーンするぞ!




 「1杯で250リンドもすんの!?」


 「そりゃそうだろ。もっと安い酒もあんだから金がねぇならそっちにしな」


 追伸、俺は来て早々金欠になった。

 財布の中身は350リンドある。いや、230リンドだ。ヤバいな。どうしよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ