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灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記  作者: 荒木シオン
一年生前期

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96/966

96日目:属性魔術の個別課題!

 八十七代魔帝暦(まていれき)二二年・獅子ししの月第五日・属性(水)・天気:晴れ


 今日は属性魔術の個別課題、その達成期限です!

 

 ただ、最終日までに課題を達成できていない炎属性学科の一年生は、私を含め数人だけだったりします。

 そして、その数名もどうにか課題を達成し、最後は私だけが残りました。今、目の前には八千本の蝋燭ろうそくが並んでいます。


 本来の課題だと、同時にともす蝋燭は一二八本です。でも、魔導杖まどうじょうの使用禁止令を解除してもらうために、ロイン先生へお願いして数を増やしました。

 大丈夫、大丈夫です……。私が六二代目のティコ! 歴代のティコから願いとともにたくされた炎は、私が守るんです!


 そう決意した瞬間、まるで呼応するかのように全ての蝋燭が一斉いっせいともり――、


 ――私は意識を失いました。

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