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954日目:上機嫌のヌリア
八七代魔帝暦二四年・馬人の月第九日・属性(炎)・天気:晴れ
「今日はなんだかご機嫌だね、ヌリアちゃん」
午前中に仮説熱力学の授業を終え、昼休み。
学校の大食堂で昼食を食べていると、向かいの席、アーシェの隣に座っていたリトラがそう言って、私の横に腰掛けているヌリアを興味深げに見つめます。
すると、そんなリトラへ自慢するかのように、南国めいた花柄の服を着せた熊の人形・ウルスを自身の膝の上からテーブルの上に移動させるヌリア。
お母さん、貴女の作った人形とその服は、こうしてヌリアが学校中に広めてくれてますよ……。って、どうしたんです、アーシェ? 急に目を輝かせて?
さておき、魔術学校祭まであと十三日、昼食が終わったら、また研究発表会の練習を頑張らないと!




