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937日目:この感覚は、憶えておかないと!
八七代魔帝暦二四年・星蠍の月第二十三日・属性(闇)・天気:晴れ
放課後ですが、今日は魔導杖演舞会の見学には行かず、学生寮の裏手にある森で、夢のなかの例の動きを思い出しながら、独りでその練習をしています。
色々と教えてくれたルチア先輩には悪いですけど、これ以上、魔導杖演舞会に関わると本当に入部させられそうですからね! こういうのは引き際が肝心です!
しかし、こうして誰もいない静かな森のなかで、独りティコの魔導杖を黙々と振り回していると、まるで杖が自分の身体の一部になったかのような不思議な感じがしてきます。
ふふっ、なんだか今なら、夢のなかでも杖を砕くことなく、自由自在に扱えるような気がしますね。
うん……この感覚、絶対に忘れずに憶えておかないと!




