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922日目:夢のなかの杖
八七代魔帝暦二四年・星蠍の月第八日・属性(水)・天気:雨
むぅ……なんだか妙な夢を見ました。
黒い岩と白い砂地が広がる荒涼とした不毛な大地。そこに林立する形も大きさも様々な白亜の杖。しかし、それらは手にした瞬間、砕け、砂に還り……。
ベッドから身体を起こし、そうして夢の内容を思い出していると、ふと戸棚に立てかけているティコの魔導杖が目に入ります。
その色は偶然にも、夢で見た無数の杖と全く同じで……。
これは、どうやら夢とティコの魔導杖は無関係ではなさそうですね。もしかすると、例の魔力酔いもなにか関係があるのかもしれません……。
はぁ~、道理でなにを訊いても、ヌリアが言葉を濁すわけです。あの娘、こういう時はいつも詳細を教えてくれないので困ります!




