912/969
912日目:これはまた、復習会ですね……。
八七代魔帝暦二四年・天秤の月第二十八日・属性(炎)・天気:晴れ
「ここで生み出される回転運動を動力として利用することで――」
午前中は仮説熱力学の授業なんですが、教室には先程から例の炎属性魔術を用いた魔力機関・試作二号機に関する説明をおこなうピスト先生の声だけが、淡々と響いています。
うん……カルド君とハール君、普通に目が死んでますけど、大丈夫ですか? ルベルさんも眉間に皺が寄りすぎて、なんだか凄い形相になってますよ?
「出力を維持し、今の仕組みを小型化すれば、馬なしで馬車を動かすことも――」
しかし、そんな彼らの様子を気にすることなく、無慈悲に授業を進めるピスト先生。
はぁ~、これはまた後日、復習会ですね。今期の仮説熱力学も色々と難しすぎます!




