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灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記  作者: 荒木シオン
一年生前期

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89日目:草根妖精の薬効成分抽出

 八十七代魔帝暦(まていれき)二二年・巨蟹きょかいの月第二十八日・属性(水)・天気:曇り


 早朝の魔力制御訓練と朝食を終えたら、午前中は薬草学の前期末試験課題『草根妖精マンドラゴラ薬効成分抽出やっこうせいぶんちゅうしゅつ』に取り組みます。


 まずはドラちゃんを鉢から出し、流水で泥などの汚れを丁寧ていねいに落とします。

 あとは陶器製の鍋に準備した五十度のお湯へけ、三日三晩みっかみばん待つんですが……。鍋に入れた瞬間、アゥエァ~、と奇妙な声を上げるので凄く驚きました。

 その後は、気持ちよさそうにプカプカと黙って浮いてますけど……手順、間違ってませんよね?


 午後は属性魔術の実技実習がありました。前期末試験の個別課題をまだ達成できていない私と数人の生徒は、ロイン先生に本気で心配されます。


 けど、大丈夫ですよ! 最終日に期待してください!

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