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885日目:ただいま、ドラちゃん! なんですが……。
八七代魔帝暦二四年・天秤の月第一日・属性(風)・天気:晴れ
午後、転移門を使い瞬く間にエクレールから帰国し、一ヶ月ぶりに王立魔術学校へと帰ってきました!
学校到着後、留守番をさせている草根妖精のドラちゃんたちに一刻も早く会おうと、学生寮の寮監に出す帰寮届も後回しにして、例の簡易温室へ向かうと――、
「あ、あっ……やっと、やっと戻って……」
――私の姿を見た瞬間、ドラちゃんたちを任せていた専門家さんの一人が隈の浮かんだ目に涙を溜めながらそう呟き、酷く疲れ果てた様子でよろよろと近づいてきました。
えっと……だ、大丈夫ですか? というか、他のお二人はどちらに?
簡易温室内のドラちゃんたちは凄く元気そうですけど、この一月の間にいったいなにがあったんです?




