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872日目:この遺跡、本当にそんな場所なんですか?
八七代魔帝暦二四年・聖女の月第十九日・属性(土)・天気:―
「はぁ~、マバト翁も勘が鈍ったね。殿下、多分ここは軍事施設の類だよ」
遺跡の新領域に足を踏み入れて今日で三日目。
その間、ヌリアの案内で遺跡内を奥へ奥へと進み、途中で新たに螺旋階段を二箇所下り、そうして辿り着いた、四方の壁に国旗らしきものが描かれた大広間。
そこでの休憩中、ここまでに描いた新領域の地図を眺めつつ、調査員のミーヌさんがレイ王子へため息混じりにそんな報告をおこないます。
察するに、マバト翁は例のお爺さんでしょうね……。しかし、ヌリア? 軍事施設ってなんですか? こら! 露骨に顔を逸らすんじゃありません!
むぅ……ヌリアの目的地まであと少しみたいですが、色々と不安になってきました。




