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870日目:一旦、作戦会議を開くべきでは?
八七代魔帝暦二四年・聖女の月第十七日・属性(炎)・天気:晴れ
朝食後、お爺さんの「ここはいつから学生の遊び場になったのやら……」という嫌味な台詞に見送られつつ、私たちはついに遺跡へと足を踏み入れました。
そうして、岩を削って造られた遺跡内を歩くこと数十分。
調査を許可された区画、四隅に竜の精緻な彫刻が施された巨大な石柱がある以外は他になにもない広間に到着しました。
すると、ヌリアは「記憶通りです♪」なんて呟きながら、各柱の根元を手にしたティコの魔導杖で軽く叩いて回ります。
次の瞬間、眩い光とともに部屋の中央に現れる、地下へと続く螺旋階段。うん……こんな説明は一度も受けてませんよ、ヌリア?
レイ王子、これは一旦拠点に戻って作戦会議を開くべきでは?




