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856日目:異国の地で迎える朝
八七代魔帝暦二四年・聖女の月第三日・属性(炎)・天気:晴れ
耳に響く活気に満ちた人々の声、肌を撫でる乾いた風、鼻孔をくすぐる異国の香り。
昨日の夜、無事にエクレールへ到着し、ネイトが事前に手配していた宿で迎えた朝。
窓の外に広がる、色鮮やかな青いタイルで彩られた見慣れぬ街並みを眺めつつ、改めてここが異国の地であることを実感していると――、
「ティコ、もう起きてる? お嬢様が今日は一日ゆっくりしていいって! だから、皆でちょっと街を散策しない?」
――アーシェが声を弾ませ、私の泊まっている部屋へやって来ました。
なるほど、そういうことなら観光をするのはありですね! 遺跡の調査が始まったら色々と大変でしょうし、今のうちに英気を養うのもいいかもしれません!




