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831日目:もしかして、心配してくれてるんでしょうか?
八七代魔帝暦二四年・獅子の月第九日・属性(水)・天気:晴れ
早朝、例の頭痛を堪えつつ、草根妖精のドラちゃんたちに日課の水遣りをしていると、ドラちゃんが髪のように細い自身の葉を私の左手にくるくると巻き付けてきます。
次の瞬間、手に加わる微かな重みと滑らかな感触。見れば、そこには真っ赤に色づいたドラちゃんの実がありました……な、なんで?
状況が飲み込めず、実に視線を落としたまま無言で固まっていると、ドラちゃんに続いてマーちゃんとゴラちゃんまでもが、私の手をその葉で優しく撫で始めます……。
これは、もしかして私のことを心配してくれてるんでしょうか? 大切な実を自らくれたのもそういう……。
ありがとう、ドラちゃんたち。私、頑張って課題を終わらせますね!




