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81日目:魔術師名鑑
八十七代魔帝暦二二年・巨蟹の月第二十日・属性(土)・天気:雨
放課後は魔力制御訓練を休み、魔術史の先生からティコに関する話を聞くため職員室へ。
しかし、用件を伝えると、儂よりも古くからティコの魔導書であるヌリアさんに尋ねたほうがいいんじゃないかの? って当然の疑問を返されます。
確かにそうなんですが、訊いたら心配すると思うんですよね。それに、彼女が知るティコと私が知りたいティコは少し違う気がするんです……。
そのことをどう伝えるか悩んでいると感情が顔に出たのか、なにか事情がありそうじゃな……、とこちらを気遣うように微笑み、先生は一冊の本を手渡してくれます。
まずは自分で調べてみなさい、って……。表題は『魔術師名鑑』これでなにか分かるでしょうか?




