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614日目:アーシェの模擬戦
八十七代魔帝暦二三年・山羊魚の月第五日・属性(水)・天気:曇り
「私に――ない――たちが! ティ――つ―あう―――む―――ら!」
なんですか、この状況?
午後からいつも通り、炎属性学科一年生がおこなう属性魔術の実技実習を手伝う予定だったんですが……。
どうして、授業開始直後にアーシェはカルド君とハール君の二人を同時に相手取り、属性魔術を用いた模擬戦なんて始めてるんです?
時折、アーシェが二人に向かってなにか言ってますけど、それらは炎の熱風と轟音にかき消され正確に聞こえませんし、事情が全く分かりません。
しかし、三人ともやけに鬼気迫る表情で戦ってますね……。
う~ん……もしかして、アーシェが今後も実技実習を手伝ってくれることが関係してるんでしょうか?




