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57日目:草根妖精のドラちゃん
八十七代魔帝暦二二年・双児の月第二十七日・属性(全)・天気:晴れ
眠い……。『物失せの森』で夜を明かすとか最悪の経験です。
それも私を喜ばせようと、ドラちゃんを密かに捜していた金髪王子と一緒にですよ? 失敗したな、とか決まりが悪そうに微笑まれても反応に困ります!
そんな昨夜の会話を思い返し頭を抱えていると、目の前をなにかが横切りました。
ふさふさな深緑の毛にゴツゴツした土色の身体。毛と身体の境には鎖で留めた金属製の名札……って、ドラちゃん?
思わず呟くと立ち止まり振り向く謎の生物。それを逃げ出す前にヌリアが問答無用で捕獲します。そうして確認すると……うん、やっぱりドラちゃんです!
これで当初の目的は達成しました。あとはどうやって帰るかですね……。




