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51日目:元気のないアイツ……。
八七代魔帝暦二二年・双児の月第二十一日・属性(炎)・天気:晴れ
昨日、様子が変だった金髪王子と今日は占星術概論で一緒です。
前回と同じく私やリトラから離れた席に座る王子ですが、やっぱり遠目にも疲れているように見えますね。
授業中、先生から天体配置図に関して質問されてもボーッとして答えられませんし、ってどうして私は彼を心配してるんでしょう? 無視でいいはずなのに……。
自分の感情に困惑しつつ授業後、移動する前に席でぐったりとした王子へ小さな紙切れをそっと渡します。
そうして彼に背を向け、なにか言われる前に急いで立ち去ると、それを興味深そうに見つめてくるリトラとヌリア。
ちょっと、やめてくださいよ……。私は『物失せ森』の情報を渡しただけなんですから!




