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42日目:覚悟を決めて……。
八七代魔帝暦二二年・双児の月第十二日・属性(光)・天気:晴れ
覚悟を決めて金髪王子と会うことにしました。
ただ、一人は怖いのでリトラとヌリアに付き添ってもらいます。
待ち合わせた魔術学校第一校舎、中庭の噴水前。たった一人で現れた金髪王子は、私を見つけるとすぐに謝罪してきました。
例の薬は側近が密かに細工したものだった、不手際を許してくれと……。
リトラたちがいるのも気にせず、深々と頭を下げる一国の王子。その姿は一見すると誰の目にも誠実に映ることでしょう……。だから、謝罪は受け入れます。
でも、それだけです。そう突き放すと、今はそれで十分だ……、と力なく笑い立ち去る金髪王子。
リトラが不安げに私を見つめますが、いいんですよ、これで……。いいんです。




