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287日目:季節外れの……。
八十七代魔帝暦二三年・水瓶の月第十二日・属性(光)・天気:雨
朝食後、リトラと試験勉強をするために学生寮の談話室を訪れると、部屋の隅に妙な人だかりができていました。
ただ、生徒以外に寮監や先生の姿まである辺り、私たちと同じ理由で集まっているわけではなさそうです。
気になって近づいてみると、彼らは一様に訝しげな表情を浮かべ、一脚の古めかしい安楽椅子を囲んでいます。
そうして、聞こえてくるのは「また戻ってきたの?」「処分したのに……」という断片的でどこか不穏な会話……もしかしてこれは怖い話ですか?
確かに、あの安楽椅子は以前の談話室でも見かけた気がしますけど……。
うぅ……季節外れの怪談とかやめてください。怖くて談話室が使えなくなるじゃないですか!




