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灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記  作者: 荒木シオン
一年生後期(前半)

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229日目:ピスト先生の巻物

 八十七代魔帝暦(まていれき)二二年・馬人ばじんの月第十五日・属性(水)・天気:曇り


 変ですね。属性魔術の実技実習でピスト先生から、使えるか試してみて? って魔導陣まどうじんえがかれた巻物スクロールを色々と渡されたんですが……どれも全然ぜんぜん発動はつどうしません!


 使われている主な魔術式からさっするに、全て炎属性魔術のはずなのに……どうして反応しないんでしょう?

 確かに、魔導陣は複数の魔術式を組み合わせ、一つの術式とし機能するように構築こうちくされているせいで、高度になるほど制御せいぎょあつかいが難しくはなりますけど……。


 そうして、巻物スクロールにらめっこを続けていると、じんが不完全なのでは? とヌリアが魔導書まどうしょらしい指摘してきをしてきます。いや、まさか、そんなことは……。


 しかし結局、授業中に魔導陣は一度も発動しませんでした……なんで?

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