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灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記  作者: 荒木シオン
一年生後期(前半)

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203/970

203日目:規則なのは分かりますけど……!

 八十七代魔帝暦(まていれき)二二年・星蠍ほしさそりの月第二十日・属性(光)・天気:晴れ


 結局けっきょく、昨日は転校生に会えませんでした。

 寮監りょうかんによると間違いなく部屋にはいるらしいんですけど、ここ数日は食堂にもあらわれず、まったく外へ出てこないんだとか……。


 そして、学生寮がくせいりょうがわでも心配はしているものの、積極的せっきょくてきに動けない事情があるみたいです。

 寮監(いわ)く、最悪の事態じたいこれば、寮の全部屋を強制的に解錠かいじょうできる親鍵マスターキーを使い、室内へむそうですが……できればその前にやってください!

 個人の部屋が学生時しか使えないとはいえ、代々継承(だいだいけいしょう)されている魔術工房まじゅつこうぼうなせいで、安易あんいに手を出せない規則なのは分かりますけど!


 しかし、私も無力ですね。転校生へ書いた手紙をとびら隙間すきまはさんでおくことしかできないんですから……。

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