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197日目:憧れたからこそ……。
八十七代魔帝暦二二年・星蠍の月第十四日・属性(全)・天気:晴れ
昼休み、誰もが食堂へ向かうなか一人だけ教室に残っていると、ベルデ先輩が訪ねてきました。どうやら、昨日のことを心配して様子を見に来てくれたみたいです。
そうして、悩みがあるなら相談に乗るよ? ってベルデ先輩は優しく微笑んでくれます。うぅ……少し愚痴をこぼしてもいいですか?
数分後、私の話を聞き終えた先輩は、その娘は歴代のティコに憧れていたんだろうね……、と難しい顔で呟きます。
そう、それに憧れ学んだからこそ、転校生はあれほど攻撃的な炎属性魔術に秀でているんでしょう。でも、ティコが炎に託した願いは違うんです……。
うん……私は当代としてティコの想いを彼女へ伝えないといけない気がします。




