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173日目:深紅の炎と笑顔
八十七代魔帝暦二二年・天秤の月第二十日・属性(水)・天気:雨
第七屋内運動場で属性魔術の実技実習があったんですけど、転校生はなんだか凄く怖い娘でした……。
今回の実習は新学期最初ということで、前期の復習を兼ねた、標的へ属性魔術を当てる訓練だったんです……。
そこで、転校生はいつかの私と同じように、高耐火術式が施されているはずの標的を灰にするという、誰もが予想しなかったことをしでかします。
そうして、灰が舞うなか、燃え盛る深紅の炎に照らされながら、転校生は楽しそうな笑みを浮かべるんです。
まるで、その荒れ狂う炎に酔いしれてしまったかのように……。
ちなみに、私は授業中ずっと蝋燭と戯れていました。だって、標的を燃やすとロイン先生に怒られますからね!




