灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

一年生夏休み

162日目：マジケット観戦……。

　八十七代魔帝暦(まていれき)二二年・天秤《てんびん》の月第九日・属性(全)・天気：晴れ

　夕方、レイ王子とマジケットを観戦《かんせん》してきたんですが、特等席《とくとうせき》で観《み》たこともあり、見応《みごた》え十分の素晴らしい試合でした。

　六人組のチーム同士が多彩《たさい》な魔術を駆使《くし》し、先端に網の付いた魔導杖《まどうじょう》でボールを奪《うば》い合《あ》い、敵陣のゴールへ全力で運ぶ勇姿《ゆうし》は、やはり手に汗握るものがあります！

　そして、こんなに試合を満喫《まんきつ》できたのは、全てヌリアがいてくれたおかげです。

　実は彼女、持ち込み可能な応援用魔導具《おうえんようまどうぐ》と同じ扱《あつか》いらしく、チケットなしで入場できるんですよ！

　結果、王子と二人きりで観戦せずにすんだうえ、今後のいい牽制《けんせい》になりました。

　もしかして、ネイトはこうなることが最初から分かっていたんでしょうか？　いや、まさかですよね……。