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139日目:銀色の指輪
八十七代魔帝暦二二年・聖女の月第十七日・属性(闇)・天気:晴れ
朝から厄介事に巻き込まれています。
昨日の夜、夢のなかで見知らぬ赤髪の女性から指輪をもらったんです。そうして、起きたらハマってるんですよ! 右手の中指に指輪が! しかも外れません!
白い石が十個、等間隔に埋め込まれた銀色の指輪を見つめ涙目になっていると、それは五十代目ティコの魔導具です、とヌリアが正体を教えてくれます。
確かに、夢へ干渉する魔術はありますが、そんな大昔の術式の効果が今も残っているなんて……本当ですか?
彼女は優秀でしたから、って自慢されても困るんですよ、ヌリア? 重要なのは外れない指輪に問題があるか、ないかです!
明日は王様に会うんですから……大丈夫と言いなさい、ヌリア!




