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灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記  作者: 荒木シオン
一年生夏休み

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121/979

121日目:巨大な影の正体

 八十七代魔帝暦(まていれき)二二年・獅子ししの月第三十日・属性(炎)・天気:晴れ


 地下書庫の円筒水路えんとうすいろで目にした巨大な影ですが、魔導司書まどうししょの先生にいたところ、その正体はあっさり判明しました!


 あれはシーミーという魔術的(まじゅつてき)人工生物(じんこうせいぶつ)で、水中保管している書物の清掃や管理をしてくれるそうです。

 ちなみに大きさ以外、姿形などは本の天敵である紙魚シミにそっくりだとか……。つまり、あの円筒水路のなかでは巨大な紙魚が悠々(ゆうゆう)と泳いでるわけですね……。


 うん……先生があまり書庫へ来ない理由と、他の生徒が利用を控える気持ちが分かった気がします。ただ、私には色々と好都合です!


 ふふっ、地下書庫・快適空間化計画……シーミーは水路に悪戯いたずらしなければ問題ありませんし、意外と上手くいくかもしれませんね!

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