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110日目:『燃やす』以外に可能なこと……。
八十七代魔帝暦二二年・獅子の月第十九日・属性(水)・天気:晴れ
属性魔術の実技実習日! 今、私の前には蝋燭、ではなく水の入った鍋が並んでいます。
炎属性魔術が『燃やす』以外に可能なこと、その答えを連日の暑さで閃いたんです!
それは、炎も暑い、いや『熱い』つまり『熱』があるということ! なら、炎属性魔術で『熱』を操れるのでは?
というわけで、ヌリアからそれっぽい術式を教わり、水を炎なしで温められるか試しますが……ほとんど変化はありません。これは予想以上に難しいですね。
そうして、この日は成功することなく、授業が終わります。
夕方、寮の自室へ帰ると、金髪王子からお茶会の招待状が届いていました。
え? なんだか本格的な催しになってません? だ、大丈夫ですよね?




