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107日目:なんで、いるんですか?
八十七代魔帝暦二二年・獅子の月第十六日・属性(炎)・天気:晴れ
放課後、ヌリアと一緒にバイトへ向かうと、そこにはなぜかネイト嬢の姿がありました。えっと、なんで? このお嬢様、相変わらず行動が読めなさすぎでは?
困惑しつつ用件を尋ねると、ネイト嬢は手にした鞄から小さな紙袋をいくつも取り出し、皆さんにも先日のお礼を持って来ましたの、と微笑んできます。
あの日、私の終業時間まで彼女は工事現場で待っていたわけですが、その間、周囲はずっと気にかけていました。
明らかにどこかのお嬢様らしい身なりの少女に、なにか問題があってはいけないと……。多分、それを感じてたんですね。
よし……私も彼女と一緒に改めてお礼を言いましょう。
色々と本当にありがとうございました!




