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1日目:最悪の魔術適性です!
八七代魔帝暦二二年・金牛の月第一日・属性(全)・天気:晴れ
最悪! 最悪です!
待ちに待った十四歳の春! 王立魔術学校のクラス分けが今日ありました。
髪や瞳の色から魔術適性は大体分かるので、凄く期待していたんです!
銀髪銀眼で村一番の美少女(自称)な私は珍しい複合属性の氷雪系や希少な光属性の適性に違いないと! 数年に一人の天才だと!
なのに結果は戦闘特化の炎属性! 加えて適性は学校一位という嫌なおまけ付き!
数百年前と違って平和な現代では超ハズレ枠です! 凄いことでも嬉しくない!
今時、騎士団に入って魔獣や盗賊を討伐するなんて誰もやりたがりませんよ!
ぐすんっ……このままだと人生は風前の灯火です。自慢だった腰まで届く銀髪も、今ではなにかの呪いに思えてきます。