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初投稿です。拙い文章ですみません。

「さっさと消えろ」


帝国最強の魔術師であるルイヤは一夜を共にした黒髪の美少女二人に言い放つ。

この二人は売春婦などではない。夜の繁華街へ買い物に来ていた16にも満たない学生である。

ただ、それはルイヤが目の前にいない場合に限る。彼の前ではどんな女でも性処理の道具として扱われ、基本的人権を奪われる。


「また、ご無理を、、、」


白髪の執事ガイはハンカチで額の汗をぬぐいながら少女二人に数枚の金貨を渡す。

このような行為は当然のことながら違法であり、金銭で解決できる話ではないが、彼の行為とならば話は別。むしろ金銭を払う必要もないわけだが、ガイの良心はそれを許さなかった。


「、、、」


ルイヤは鋭い目でガイの顔を見た後、布団にうずくまった。今のように彼に対して少しでも否定的な言葉を発した者はすぐさま殺されるのが普通だが、ガイだけは特別。ガイはルイヤにとって身の回りのお世話をしてくれる便利な存在であるため、生かしている。そうルイヤは考えている。

カーテンからは朝日が漏れ始め、小鳥が鳴き始める。

黒髪の少女二人はうずくまるルイヤの後姿をじっと睨んだ後、ガイの隣を急ぎ足で通り過ぎ、部屋を後にした。


「そういえば、今朝、最新型のペンサーチが届きました。久々にルイヤ坊ちゃんも試してはいかがでしょう。従来型と比べて、より正確な値を教えてくれるそうですよ」


ペンサーチとは魔才計測器のことである。この世界の人々は魔器力、魔回力、異能力という3つの魔力に関する能力を持って生まれてくる。魔器力とは魔力を蓄えられる器の大きさ、つまり蓄えられる魔力の最大値であり、魔回力とは魔力回復力のことで、1秒当たりどれくらいの量の魔力を回復することができるかを表す(魔力は自然回復する)。異能力は他の二つの能力とは一線を画し、各個人が持つ『特性』のことである。例えば、執事のガイは『水魔法の威力が1.5倍になる』という異能力を持っている。これら3つの能力は訓練によって鍛えることができないため、『魔力の才能』、

通称、『魔才』といわれ、この魔才を計測する装置がペンサーチということである。


「今更、測る必要ねぇだろ。5年前計ったとき、俺様の魔器力、魔回力ともに最大値の100MPだったし、異能力もランクSって言われたんだからよぉ」


ペンサーチは魔器力、魔回力は数値として正確に表示する一方で、異能力についてはランク付け(S、A、B、C、Dの順に強い)しか計測できず、具体的に自分がどのような異能力を持っているかについては自ら研究することでしか知ることができない(自分がどのような異能力を持っているか分からずに死んでいくものも少なくない)。

また、ルイヤの100MPという数値は、帝国魔術師団の兵士がもつ魔器力の平均値が7MP、魔回力の平均値が5MPであることを考えると破格の数値といえるだろう。


「確かに、通常、魔才は上昇したり、衰えたりすることはありませんが、念のためと思いましてぇ、、、」


「『念のため』ってなんだよ」


「というのもですね、近頃、帝国各地で魔器力や魔回力が低下するという現象が起きているようでしてぇ、、、」


ガイは顔中から湧き出る汗を床に垂らすまいと必死で拭う。


「原因は?」


「それが、、まだ何が原因かはわかっておりません、、、」


「、、、」


しばらくの無言が続いたのち、ルイヤはだるそうに体を起こし寝室を後にした。




これが『最強魔術師』ルイヤの最後の朝だった。

















読んでくれて、本当にありがとうございました。

評判が良かったら、続きかきます。


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