コロナに打ち勝てクリエイターたち!!
「不謹慎だ!恥を知れ!!」だとか「お前如きが偉そうに」だとかいった誹りや罵りは甘んじようと思いながら筆をとる。
私たちが新型コロナウイルスと出会ってもう1年以上が過ぎてしまった。
『コンビニに行ったことのない人』と『新型コロナというワードを聞いたことのない人』の人数を数えたら『コンビニに行ったことのない人』の方が人数が多いのではないかと思えるほど、私たちは大なり小なり新型コロナウイルスの影響を受けて過ごしてきた。
新型コロナウイルスに感染して家族・親族や友人を亡くした人もいるであろうし、結婚式や卒業式・入学式、成人式などが中止になってしまった人もいるであろう。
もちろん「毎日のニュースを見ていると新型コロナウイルスのニュースばかりで気が滅入る。」という人もいるであろうし、仕事を失い生活に困窮している人もいるであろう。
新型コロナウイルスは私たちに多くの悪影響をもたらした。
しかし悪影響だけなのだろうか?
自然環境は人類が経済活動を低下させた好影響が出ていて、ハワイやバリといったビーチリゾートでは破壊されつつあった動植物たちの生態系が回復の兆しを見せている。
インドでもあれほど酷かった大気汚染が大きく改善され始めている。
日本国内では製造業の半数ほどが増収増益で過去一番業績がいい。
日本の外に目を向けてみると中国・米国といったGDPの大きな国々の製造業も絶好調で、それら企業の株式を売買している投資信託や投資銀行なども頗る業績がいいのだ。
自然環境や我々人類のタフさには本当に脱帽させられる思いだ。
そういう思いになって立ち返ってみると我々はどうであろう?
日々の不安や恐れ、苛立ちに思考停止に陥ってはいなかったであろうか。
新型コロナウイルスは今現在でも私たちの生活に多くの悪影響を及ぼしているわけであるが、前述の一例以外にも多くの好影響も及ぼしていることから目を逸らしてはいけない。
そもそも、宇宙船地球号に乗る78億を超えるホモ・サピエンスが一つの問題をこれだけ共有し熱量を持って真剣に取り組んだことは人類史上初めてのことである。
であるならば、クリエイターたちこの稀有な日々をただ漫然と過ごすのではなく今世界で日本で何が起きているのか、人々はどのようにどのような気持ちで生活をしているのかアンテナを貼っているべきであろう。
また、それらを知って感じた自身の気持ちや考えを野ざらしにしておくべきではない。
スペイン内戦中に行われたドイツ空軍による無差別爆撃という悲惨な出来事を体験してパブロ・ピカソは『ゲルニカ』を制作した。
『異邦人』『シーシュポスの神話』『ペスト』などを執筆したアルベール・カミュは第二次世界大戦での出来事を自身の中で昇華して世の不条理と向き合い続けていた。
形あるものいつかは壊れる。
命あるものいつかは尽きる。
死にゆく者は生者に何を残すのか。
生ある者は死者から何を受け継ぐのか。
『空のキャンバス』(今泉伸二)と『ヴァンパイア十字界』(作:城平京、画:木村有里)の2作を好きなマンガとして抱え続けている私が大切にしている想いである。
最後に二つの言葉を自戒と励みの言葉として筆を置く。
“Stay Hungry. Stay Foolish.” — Steve Jobs
“Boys, be ambitious! “ — William Smith Clark