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明智さんちの旦那さんたちR  作者: 明智 颯茄
水色桔梗ラジオ:ゲスト 出演者全員
802/962

打ち上げパーティー/1

 心地よいクラシックが流れている。


颯茄 「今日はラジオで打ち上げパーティをやります」

夫全員「何でだ?」

颯茄 「たまにはこういうスタイルもいいかと思って」

焉貴 「音声だけってこと?」

颯茄 「そうです。だから話さないと、いるのかどうかも怪しくなるので、いつもより多めに話してください」

夫全員「了解」

孔明 「さっきからいい匂いするけど、な〜に〜?」

颯茄 「今日はですね、空中庭園にあるレストランから、デリバリー取ってます。今手元に、独健さんが配ってますが、ない人いますか?」

夫全員「ある」

颯茄 「今日はゲストを呼んでます。乙葉 瞬役の百叡びゃくえいと瑠璃 ラハイアット役の桔梗ききょうです。拍手!」


 パチパチと拍手の音。


颯茄 「百叡はね、私たちの子供の一人だから、緊張してないかもしれないけど」

百叡 「うん、してない」

颯茄 「桔梗は私の妹だから、ちょっとしてる?」

桔梗 「我もしておらぬ」

颯茄 「桔梗は普段からこのしゃべり方なんです。ちびっ子ランチきた?」

百叡 「きた!」

桔梗 「きとるがの」

颯茄 「じゃあ、始めましょうか」


 音楽が派手に流れ始める。


颯茄 「『心霊探偵はエレガントに〜karma〜の打ち上げパーティー! 始まるよ!」


 ザワザワし始める。


颯茄 「さあ、始まりました。今回は大勢でお送りします。まずは、見学者だった雅威さんから答えていただきましょう」

雅威 「急に振られると困るな。乾杯とかないのか?」

颯茄 「あ、そうでした。忘れてた。じゃあ、みんなそれぞれ好きなものを取って、かんぱ――」

夫全員「なぜ、お前だけショットグラスだ」

颯茄 「秘蔵の酒を食糧庫から持ってきただけです。これじゃないと、飲んだ気にならなくて」

夫全員「なるほど」

颯茄 「それでは仕切り直して、乾杯!」

全員 「乾杯!」

颯茄 「それでは、改めて――」

百叡 「ママ、ソースとって」

颯茄 「あれ、まだ配られてなかったの? はい、どうぞ」

百叡 「ありがとう」

桔梗 「我のしょうゆがないがの?」

颯茄 「今、夕霧さんが使ってる。って、二人して寿司なの?」

夕霧命「そうだ。油物は好かん」

桔梗 「我もじゃ」

颯茄 「じゃあ、食事しながら、話していきましょう」


 カチャカチャと食器のぶつかる音がする。


颯茄 「まず雅威さんから」

雅威 「いや、撮影シーンを間近で見るのは初めてだから、正直感動したよ」

颯茄 「どこが、一番感動しました?」

雅威 「俺は、山に登ったシーンだな。あの景色は本当に綺麗だった。今度は家族旅行したいな」

独健 「確かにそれは俺も思った。あそこでキャンプしたら、気持ちいいだろうって」

颯茄 「みなさん黙々食べてますけど、話さないといけないですよ。ラジオなんですから」

光命 「私はあの山を登るのが大変でした。久々あんなに運動しましたよ」

颯茄 「確かにそうですね。光さんはピアニストですからね、体育会系ではないですよね。体動かすのが好きと言えば、夕霧さんと張飛さんですけで、二人はどうでした」

張飛 「俺っちは行ってないすからね」

颯茄 「あ、そうか。そのシーン出てないですもんね。夕霧さんは?」

夕霧命「いい修行になった」

夫全員「また修行に結びつけてる……」

颯茄 「ちびっ子二人はどうだった?」

百叡 「楽しかったー!」

桔梗 「我は浮いていたからの、それほど骨は折れんかった」

颯茄 「じゃあ、そろそろ次の話題に移りたいと思います。悪が出てくるシーンの演出をした燿さんはどうでしたか?」

燿  「そうねえ? あれよりもっと酷かったね。足の引っ張り合いが」

颯茄 「悪の世界に属してたわけですから、そこら辺はあれこれ見てきたんですよね?」

燿  「そう。今回の作品では、悪の軍も統制取れてたからね、割と」

颯茄 「やりづらかったですか?」

燿  「いいんや、やりやすかった。バラバラに考えなくていいわけだから」

颯茄 「この最後の戦いのシーンで、何か言いたいことってありますか?」

明引呼「俺は待機だったんだけどよ。ギャグが多かったな」

貴増参「僕は割と好きですよ、こういうシーン。楽しめちゃいました」

張飛 「颯茄さんが、ギャグ好きだから、こういう話になったんすよね?」

颯茄 「そうというか、出てくるシーンが笑いになってるんですよ、あの戦い全部。っていうか、みんなが出てくると笑いになるのかな?」

夫全員「妻のギャグ好きのせいだ」

颯茄 「あははは……!」

百叡 「ママ、ほうれん草ちょうだい?」

颯茄 「いいよ。ママ、食べないから」

夫全員「お前、またそうやって、食べないんだな」

颯茄 「今日は、ほら、話してるから食べられないんです」


 妻の言い訳が聞こえてきたところで、


颯茄 「では、主役:崇剛 ラハイアットを演じた光さんから答えていただきましょう。何か難しいことや、面白かったところってありますか?」

光命 「難しかったところは、ダガーの扱いですね。投げる練習を何十回もしましたよ」

焉貴 「俺、やってんの見たよ。真剣な顔してたね」

光命 「未来の軌跡を読むのですが、ちょっとした手のブレで、ズレてしまうのです。最後は夕霧に教えてもらいました」

颯茄 「夕霧さん、その辺どうでした?」

夕霧命「集中力に問題はないが、光の場合、重心が高い位置にあるから、そこら辺を直しながら教えた」

颯茄 「さすが、夕霧さんです」

光命 「助かりましたよ、夕霧」

颯茄 「光さん、面白かったところは?」

光命 「……」


 くすくす笑っていて、答えがなかなか出てこない。


颯茄 「そんなにおかしかったですか?」

光命 「えぇ」

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